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グーグルの検索広告事業に減速の兆し――広告クリックの伸びが横ばい傾向に

同事業に依存するグーグルの危うさに株価も反応
(2008年03月28日)

 米国Googleの検索広告事業にかげりが見え始めている。今年2月の広告クリック数に関する米国comScoreの調査リポートは、Googleの収入源である検索広告事業の減速を示唆した。このことは、事業拡大の原資を1種類のオンライン広告にほぼ全面的に依存しているGoogleの危うさをあらためて浮き彫りにしている。

 広告クリック数に関するcomScoreの調査リポートは、同社の顧客にのみ提供されている。同社の広報担当者は、同リポートに掲載されている調査結果は、Citigroupのアナリスト、マーク・マハニー(Mark Mahaney)氏とジェームズ・サンフォード(James Samford)氏が3月26日付けで作成したリポートで正確に紹介されていると語った。

 Citigroupのアナリストが取り上げた重要な調査結果は、2月における米国でのGoogleの検索広告クリック数が、前年同月比で3.1%の伸びにとどまったというもの。Mahaney氏とSamford氏は、「うるう年で2月が29日まであったことを考えると、実質的な伸び率は横ばいだ」と同リポートで指摘した。

 同じくcomScoreのデータによると、1月のクリック数は前年同月比0.3%減だった。このことを加味すると、何年にもわたってGoogleの成長の原動力となってきたPPC(ペイ・パー・クリック)広告事業は、ここにきて勢いを失いつつあるのかもしれない。

 こうした見方について、当のGoogleはどう考えているのか。Googleは今のところ、2月の広告クリック数に関するcomScoreのリポートについてコメントを控えている。ただ、comScoreが1月の広告クリック数リポートを発行した際(Googleの1月の広告クリック数は昨年12月比で7%減少)、Googleの担当者は、前向きな解釈を加えようとした。同氏は減少の大きな要因について、Googleが広告配信の品質向上を目指し、より精密な広告ターゲティングを行ったため、ユーザーがクリックする広告の数が少なくなったことにあると説明した。

 Citigroupでは、Googleの2008年第1四半期の広告クリック数は前年同期比で約20%増加するとみている。ただし、「もしcomScoreのデータが正確で、その傾向が第1四半期を通じて続くのであれば、そしてこの傾向が米国だけでなく世界的なものだとすれば、第1四半期に関する当社の予測は外れる可能性がある」と、Citigroupのアナリストはリポートで述べている。

 Googleの検索広告事業に関する今回のニュースは特に投資家にとって懸念材料だが、「Google Apps」スイートの有料版や「Google Search Appliance」などに投資している企業にとっても聞き捨てならないものだろう。Googleはここ数年、PPC広告事業の堅調な成長をベースに、エンタープライズ検索やホスティング型コラボレーション/コミュニケーション・スイートといった事業に資金を振り向けてきたからだ。

 Googleにとっては残念なことに、PPC広告事業を補う収入源は今のところ同社にはない。この数年間、バナー広告など他のオンライン広告や、雑誌、ラジオ、TVといったオフライン広告への多角化を積極的に推進してきたにもかかわらずだ。Googleは依然として、同社の検索結果とともに、あるいはパートナー・サイトで掲載されるPPCテキスト広告で売上げのほとんどを稼いでいる。

 収入源の多角化が遅れていることは、Googleの経営陣も認識しているようだ。同社幹部は、DoubleClick買収の完了に伴い2008年と2009年はバナー広告などのディスプレイ広告で具体的な成果を上げると約束している。

 しかし、Googleはディスプレイ広告市場で苦戦中だ。comScoreのプレスリリースによると、昨年11月時点で米国のディスプレイ広告市場のインプレッション数ベースのシェアでは、Yahoo!が19%で首位を占め、News Corp傘下のFox Interactiveが16.3%、Microsoftが6.7%で続いた。これに対し、Googleは1%のシェアで7位にとどまっている。

 comScoreの調査リポートが発行された後の27日、Googleの株価は午後の早い時間の取り引きで2.8%安の445ドル36セントを付けた。これは52週高値を300ドル程度下回る水準である。

(Juan Carlos Perez/IDG News Serviceマイアミ支局)

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