グーグル、「Street View」フランス版に着手――パリ市街を撮影開始
ただしプライバシー保護の観点からサービス開始は困難との声も米国Googleは先ごろ、同社の地図サービス「Google Maps」で提供する「Street View」機能用のデータを収集するため、パリ市街の撮影を開始した。Street Viewは、地上から見た街の風景を表示する機能で、2007年5月より提供が開始されている。しかし、フランスには厳しいプライバシーに関する法律がある。そのため、写真を編集せずに公開した場合には、訴訟問題に発展する可能性もありそうだ。
Googleの2人の社員は5月9日、パリ西部の外れで、黒のオペル・アストラの屋根に多くのカメラとレーザー・スキャナを据え付けているところを目撃された。これらの機器は、車内にあった米国Dell製コンピュータに接続されていた。車には何も表示がなかったが、ドライバーは、Googleのために働いていると語った。
実は数週間前から、同様の車(一部には「Google Street View」のロゴが付いている)が欧州の他都市で目撃されていた。言うまでもなく、これはGoogleが欧州のStreet Viewを提供する準備として、大規模なデータ収集活動を行っていることを意味している。
だが、Googleは欧州各国の法律や文化を考慮したうえで、データ収集活動をする必要がある。
Googleが晴れた日にパリで撮影すれば、風景の一部として、カフェのオープンス・ペースでくつろぐパリジャンを写すことになるのは確実だ。しかし、フランスでは市民に肖像権があり、個人が特定できるプライベート写真は、本人の承諾なしに公開することができない。
Googleの幹部はIDG News Serviceの取材に対し、「欧州においてStreet Viewは、現地の法律を尊重し、(Street Viewを)提供できる可能性がある場合にのみ実施する計画だ」と語った。
同社が検討中の解決策の1つとして、写真に写り込んだ個人が特定されないよう、顔にぼかしを入れるという案がある。しかし、これを実施するには、膨大な画像処理が必要になる。また、個人を特定できない低解像度の画像だけを公開することも検討しているが、それでは面白みや便利さが著しく低下することになる。
同機能の提供開始から1年が経過した米国では、その画像利用に関して数件の訴訟を起こされている。Googleの米国でのアプローチは、画像公開に抗議する人が現れた場合には、その画像の公開を取りやめるというものだ。だが、フランスの法律では、そうした事後的な対応は許容されない。同社は抗議者が出る前から、法律を尊重することを求められる。
(Peter Sayer/IDG News Serviceパリ支局)



























