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グーグル、Wikipedia対抗の知識共有サイト「Knol」を一般公開

記事投稿は実名で。読者はコメントやレビューを記入可能
(2008年07月24日)

 米国Googleが昨年12月に発表した“Wikipedia風”のオンライン・プロジェクト「Knol」が、7カ月にわたるテスト期間を終え、7月23日に一般公開となった。すでに、複数の著者が新サイトにコンテンツの掲載を開始している。

 Knolのコンセプトは、オンライン百科事典「Wikipedia」と類似しているが、Googleは既存のサービスに強く対抗していく意図はないとしている。Googleの公式ブログによれば、Knolはサイトに記事を投稿する著者に重点を置いており、各記事は単一の著者名、あるいは著作グループ名が記載される。

 同社は同プロジェクトの発表時、そのコンセプトを以下のように説明していた。「Webには膨大な量の情報が存在するが、すべての情報に価値があるとは限らない。多数の情報は人々の頭の中に格納された状態にある。役に立つ知識を持つ何百万という人々が、その内容を共有することで、他の何百万もの人々がその恩恵を受けることができる。Knolでは、人々が持つ知識をオンライン上に寄稿するのを助け、だれもが情報にアクセスできるように後押ししていく」(Google公式ブログより)

 Knolでは「Moderated Collaboration(適度なコラボレーション)」と呼ばれる新しいコンセプトが採用されている。読者は著者に対して記事内容の改変を提案することができ、それを採用するかどうかは著者の判断に委ねられる。また、さまざまなコミュニティ・ツールが用意されており、読者が各記事に対してコメントや評価、レビューの記入などを行えるようになっている。

 SNSニュース・サイト「Mashable.com」の編集長、アダム・オストロウ(Adam Ostrow)氏は、Knolでは著者がGoogleの「AdSence」広告を導入し、ペイ・パー・クリックによる収入を得ることもできると指摘する。同氏は、「特定のキーワードに対応するコンテンツの争奪戦になる可能性もあり、コミュニティ・コラボレーションとして信頼を築いてきたWikipediaの記事とは異質のものになるのではないか」と述べている。

 同氏はその一方で、だれもが記事に対してコメントやレビューを書き込むことができるシステムは、記事の信頼性をよくも悪くも左右することになり、「日和見主義者に対する防御策になる」(同氏)と指摘している。

 Wikipediaの記事は偏見に満ちていると見る向きもあるが、Ostow氏は、「Knolでは、単一の著者に各記事の執筆と編集を任せるため、信頼性という面でWikipediaを超えることは難しいだろう」と見ている。しかし同氏は、KnolがGoogleにとって多数のトラフィックを集める手段になる可能性もあると指摘する。例えば、Googleの検索結果にはすでに「YouTube」の内容が優先的に表示されており、「検索結果にKnolの内容を反映すれば、多数のユーザーがWikipediaからKnolに流れるかもしれない」(Ostow氏)という。

 検索エンジン関連の情報サイト「Search Engine Land」の編集者、ダニー・サリバン(Danny Sullivan)氏は、Knolを「中庸なWikipedia」と表現している。同氏は、「Wikipediaではだれもが寄稿・編集できるために、内容の事実誤認や、公然とした“荒らし”記事も存在する。Wikipediaの持つコラボレーションという利点は、裏返せば欠点でもある」と指摘する。Wikipediaでは、こうした欠陥を補うため、認証システムなどの導入を検討しているという。

 一方、Sullivan氏は、GoogleがKnolのコンテンツをホストすることで、ユーザーのGoogleに対する信頼感をみずから崩すことになりかねないとの懸念を示した。「Knolのコンテンツが著者の個人スペースに偏りすぎると、Webのトラフィックを外部ページへ導くというGoogleの基幹事業から離れてしまう」と同氏。

 しかしながら同氏は、「Knolの提供するツールや、より深い知識の収集へとつながる可能性など、同サービスがもたらす価値は理解できる。Knolが既存のサービスを押しのけるのではなく、空白を埋めるような存在になることを期待している」と述べている。

(Heather Havenstein/Computerworld米国版)

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