グーグル、「Google Apps」の機能拡充を表明――ただし詳細は語らず
サービス拡充に伴う料金引き上げはないもよう米国Googleは8月5日、企業向けホステッド型アプリケーション・スイート「Google Apps」に新たなアプリケーションと機能を追加する方針を明らかにした。追加されるアプリケーションなど具体的な内容には触れなかったが、サービス拡充に伴う料金引き上げを行う予定はないもようだ。同社エンタープライズ事業部担当プレジデント、デイブ・ジロード(Dave Girouard)氏が、米国コロラド州ベイルで開催されたイベント「Pacific Crest Technology Leadership Forum」(8月3日〜5日開催)において表明したもの。
今回のGoogleの表明により、オフィス・アプリケーション・スイート市場およびコミュニケーション/コラボレーション・プラットフォーム市場におけるGoogleと米国Microsoftの競争は一段と激しさを増しそうだ。
同市場では新参者のGoogleは、ソフトウェア・スイートをSaaS(Software as a Service)モデルで提供する方針を選択した。一方、オフィス・アプリケーション・スイート「Office」とメッセージング/コラボレーション・プラットフォーム「Outlook/Exchange」の提供により、長年にわたり市場を独占してきたMicrosoftも、今なお顧客のサーバにインストールする方式をメインとしながら、SaaS対策に乗り出しつつある。
現在、Googleは個人/SOHO向けに利用料を広告費で賄う無料バージョンの「Apps」と、あらゆる規模の企業向けにユーザー当たり年間50ドルの有料バージョン「Apps Premier」を用意している。50ドルという金額は、Microsoftの同等ソフトに比べて破格の料金設定だ。
個人/SOHO向けバージョンは「Gmail」やカレンダー、ワード・プロセッサ、スプレッドシート、プレゼンテーションなど、同じコア・アプリケーションを共有しているが、「Apps Premier」はさまざまなIT管理ツールに加え、他のソフトウェアと統合するためのAPI(Application Programming Interface)を備えている。
GoogleのGirouard氏は、Pacific Crest Technology Leadership Forumの講演の中で、「われわれの目的は従来と同じ料金でソフトウェアの価値を高め、企業にとっての利便性を飛躍的に向上させることだ」と語った。
Girouard氏は、一部のテクノロジーについては価格引き上げの可能性を排除しないとしながらも、今のところは価格を上げずにソフトウェア・スイートをより魅力的にすることでユーザー数を増やしていきたいと強調した。「料金を据え置いて価値をどんどん高めたい。たくさんの企業とビジネス関係を築くことのほうが、ユーザー当たりでいくらもうかるかより大事だ」(Girouard氏)
同氏は加えて、「われわれにとってアプリケーションを追加するコストは微々たるもの。今の料金を維持しても機能を追加し続けていけるはずだ。アプリケーションによっては追加コストが発生することもあるかもしれないが、大幅に料金が高くなることはないと思う」と述べた。
なお、Girouard氏は、GoogleがAppsに追加する予定のアプリケーションや新機能については詳しく明かさなかった。
Google Appsの無償版と有償版にサインアップした企業と大学はすでに50万を超え、同スイートのアクティブ・ユーザーは約1,000万人に達しているという。Girouard氏によると、Apps Premierの顧客は、同スイートのサブスクリプション料におおむね満足しているが、採用にあたって最も不安視しているのは、むしろソフトウェアとデータを社外でホスティングすることのセキュリティと、Googleの将来の製品計画だという。
同氏の話では、Googleは「Microsoft Office」など、より豊富な機能を持つとされるライバル製品の機能をすべて提供するつもりはないという。それよりも、ワークグループでのコラボレーションや共有をもっと単純化するなど、Appsの得意分野に専念していきたいとのことだ。ホステッド・ソフトウェアとしてのAppsは、もともとコラボレーションを念頭に置いて設計されているからだ。
Girouard氏は、「機能面での不足はすべて補いたいが、Microsoftの製品をまねするつもりはない」と明言した。
例えば、財務アナリストはMicrosoft Excelを使い、膨大な時間をかけて非常に複雑なモデルを構築するが、Googleのスプレッドシート・アプリケーションはそうしたユーザーまで対象にしているわけではない。
「その分野ではExcelに一日の長がある。しかし、GoogleのスプレッドシートにもExcelよりすぐれている部分はいくらでもある。Microsoftとまったく同じ機能を目指しているわけではない」とGirouard氏は説明した。
(Juan Carlos Perez/IDG News Serviceマイアミ支局)
























