Google Street Viewの「日本の風景」が投じた波紋
技術進化とプライバシー保護のはざまでわき起こった論争から、地図情報サービスの将来を考える道路から撮影した360度のパノラマ写真を地図情報サービスの「Google Maps」上で提供する「Google Street View」。この画期的なサービスが日本でも8月からスタートした。しかし、街中の景色がその場所にいるような感覚で見られるStreet Viewは、公開直後から世界各国で議論を巻き起こしてきた。「おもしろい」「将来の可能性を感じる」と賞賛する声の一方、「気持ち悪い」「プライバシー侵害だ」といった批判も噴出し、裁判に発展するケースも出てきている。本稿では、Street Viewを巡る論点を整理し、そこから浮かび上がる課題をつまびらかにするとともに、新時代の地理情報サービスが今後直面するであろう問題点を考察してみたい。
佐々木俊尚
洗濯物まで丸見え。払拭できないプライバシー侵害の不安
まずは「Google Street View」(画面1-1〜1-3)に対する国内ユーザーの意識調査から紹介しよう。
ネット・マーケティング企業のアイシェアは今年8月、同社のサービス会員を対象に、Street Viewに関する意識調査をインターネット上で行った。それによると、「今後日本全国がStreet Viewで見られるようになるとしたら、どのような面が懸念されると思いますか?」との質問に、回答者の67.6%が「プライバシー侵害の不安」を挙げる結果となった。以下、「犯罪に使われないか不安」が58.0%、「もし見せたくないものが映ったら削除申請できるか不安」が43.6%、「そもそも勝手に家が晒されることに遺憾」が37.0%だった(図1)。
興味深いのは、年代が低いほど不安を感じている比率が高かったことだ。「プライバシー侵害の不安」は20代が77.8%だったのに対し、30代は67.2%、40代は63.3%と著しい差があった。また男女の比較では、女性のほうが不安を感じている人が多かった。なぜ女性と若い世代に不安が高まっているのかは判然としないが、日ごろインターネットを使い込んでいる人たちであっても、Street Viewには拒否反応を示しているということなのだろう。
























