Google Appsでイントラネット構築に取り組むワシントンD.C.
予算計画の立案、調達プロセス、内部調査、職員採用業務などに活用米国ワシントンD.C.は、かつて職員用のイントラネットを新たに整備するプロジェクトを実施した際、独自ポータル・ソフトウェア・ベースのサイトの構築に400万ドルを支出した。市政府のCTO(最高技術責任者)を務めているヴィヴェック・クンドラ(Vivek Kundra)氏は10月14日、この計画を撤回し、Google Appsを採用していくことを明らかにした。これは、IDG News Serviceとのインタビューで同氏が語ったもの。
グーグル(Google)は、Webベースのアプリケーション・スイートであるGoogle Appsを、オフィス・プロダクティビティ製品市場でMicrosoft Officeの有力なライバルに育て上げようとしており、ワシントンD.C.のプロジェクトは市場参入のテスト・ケースとなっている。
34歳のKundra氏は、オープンソースやオープン標準ベースの技術にこそ自分たちの未来があると考えており、Googleにとっても頼もしいパートナーである。
一部の報道機関は、ワシントンD.C.が3万8,000人の職員全員をMicrosoft OfficeからGoogle Appsに移行させていると報じたが、実際にそのような(職員全員の移行)計画があるわけではない。
しかしKundra氏は、Microsoft OfficeからGoogle Docsに移行する職員は増加しつつあり、使いやすさという点でも、イントラネットに対応する新しいサイトを迅速かつ容易に構築できるという点でも、Google Appsのほうに分があると語っている。
ワシントンD.C.の職員たちが新たなイントラネットの機能としてGoogle Appsを活用するようになった発端は、Kundra氏が2007年3月にCTO就任した直後に下した決断にあった。
同氏は、当時進められていたITプロジェクトを再検討し、Plumtreeが提供する独自ポータル・ソフトウェアをベースに数百万ドルを投じて進められていたイントラネット構築プロジェクトを中止したのだ。
低コストで迅速に目的の達成が可能
2007年6月からは、職員を対象としたイントラネットのパイロット・プロジェクトが始まり、電子メール・サービスとしてGmailが、文書とスプレッドシートの作成用としてGoogle Appsが使用されるようになった。今年に入ると、イントラネットが本格的に稼働を開始し、今では日常的に使われるようになっているという。
Kundra氏が新しいイントラネットの基盤としてGoogle Appsを採用する決断を下したのは、コストの安さ(市政府がGoogleに支払っているライセンス料は年間およそ47万5,000ドル)だけでなく、オープンな性格を持つGoogleのプラットフォーム上で新しいアプリケーションやインタフェースを迅速に構築できるという利点があったからだ。
Kundra氏は、「統合と導入にまつわるコストを比較し、少ないコストで迅速に目的を達成できるという理由でGoogleを選んだ」と語っている。
また、2008年秋の就職説明会に向けて新たなサイトを構築した際には、YouTubeの動画を使って各部署のマネジャーらから採用したい人材に関する情報を集めた。Kundra氏は、これもGoogle Apps上で音声や動画、データを容易に統合できるということを示す実例だと説明している。
Google Appsは、これまでMicrosoft Officeを使って行われてきた業務の一部を担うようになっている。現在Google Appsを使って行われているのは、予算計画の立案や調達プロセス、内部調査、職員の採用業務などであり、いずれも、従来はMicrosoft Wordの文書を紙に印刷したものをベースに進められていた。
Google以外のベンダーも、Microsoftが支配するオフィス・プロダクティビティ・アプリケーションの市場をねらっている。IBMは、自社の事業部門であるLotusのコラボレーション・スイートをベースにしたオフィス・プロダクティビティ・スイートであるSymphonyを、OpenOffice.orgも、無料で利用できるオープンソースのプロダクティビティ・スイートを投入している(10月13日にはバージョン3がリリースされた)。



























