グーグル、ソーシャル仮想世界「Lively」を年内で閉鎖
技術誤用パターンの最新例との見方も米国Googleは11月19日、Webサイト上でソーシャルな仮想世界を作成するためのツール「Lively」を年内に閉鎖すると発表した。より中核的な事業に注力するのが閉鎖の理由であるという。
Googleは、公式ブログへの投稿の中で、ユーザーが友人と交流したり、新たな方法で自分を表現したりするツールとして今年7月にGoogle Labs内に開設したLivelyを年内に閉鎖することを明らかにした。
同社は、閉鎖の理由について、「われわれは、この種の実験を常に支援してきた。人々の生活を変えるような画期的な製品を生み出す最良の方法だと考えているからだ。しかし、この種のリスクを伴う取り組みのすべてがうまくいくわけではないということも常に意識してきた。厳しい決断ではあったが、リソースに優先順位を付け、広告やアプリケーション・ビジネスといったより重要な分野の研究に注力すべきと考えた」と説明する。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)専門のニュース・ブログMashableのブロガーであるスタン・シュレーダー(Stan Schroeder)氏は、Lively閉鎖について、Googleの技術誤用パターンの最新事例であると指摘。Googleが2007年に買収したJaiku(Twitterに似たミニブログ・サービス)についても、十分な投資を行っていないことを挙げ、Livelyの閉鎖はそれに続く失敗例であると断じている。
Schroeder氏によると、Livelyは確かにGoogleが行っている20%プロジェクトの1つであり、同社の技術者が“空いた”時間を利用して作り上げたものだったが、一定の時間と資金を投入したにもかかわらず、ほとんどだれからも利用されることなく失敗に至ったという。
「Second Lifeに比べ、Livelyは気軽に利用できるようなシステムになっていなかった。GoogleのSNSツールであるOrkut(うまくはいってはいるが、革新的な部分は何もない)の例を見ても、コミュニティの構築がGoogleの得意分野ではないことは明白だ。ギャンブル好きの人なら、将来GoogleよりもFacebookのほうが大きくなる可能性に賭けるかもしれない」(同氏)
IT調査会社Techdirtの社長兼CEO、マイク・マスニック(Mike Masnick)氏は、当初からLivelyの戦略に疑問を感じていたという。「斬新で魅力的なサービスとは思えなかった。サービスの魅力を高めることは可能だと考える人がいるかもしれないが、そうとは思えない。いずれにしても、Googleは実験の失敗を認め、Livelyを打ち切ることにした」
Masnick氏によると、Googleのプロジェクトには一定のパターンがあり、これに注目することによって、外部の人間でもその正否を占うことができるという。
「Google Maps(Ajaxを利用した初の本格的な地図ソリューション)やGmail(膨大なストレージとAjaxベースのフロントエンドを持つ)といった従来の常識を覆すようなプロジェクトは、多くのユーザーを集めることができる。同社は、すでに成熟していると思われていた製品のイメージを改め、人々の考え方を完全に変えることに成功してきた。地図情報サービス(この市場は数年前からMapQuestやYahoo Mapsが支配していた)や電子メールサービス、検索サービスがそうだった」と同氏は指摘する。
Masnick氏は、Googleが検索市場に参入した際、多くの業界専門家がライバル企業の多さを指摘していたが、同社のソリューションは、他社のものと大きく異なる魅力的なものであったため、インターネット・ユーザーの支持を集めることができたと述べている。
「一方のLivelyは、他社に追随するだけのサービスにずぎなかった。同じような機能のサービスがほかにいくつもあり、GoogleもLivelyを使うメリットを示すことができなかった。失敗するのも当然だと言える」(同氏)



























