グーグル、ネットブック向けOS「Chrome OS」を開発コミュニティに公開
Webアプリの実行基盤に特化し、高速起動やセキュリティに特徴米国Googleは11月19日、同社が開発中のOS「Google Chrome OS」のソースコードやドキュメントなどを、オープンソース・コミュニティ向けに公開した。高速かつ安全なネットブック向けOSの開発を目指している。
Googleでは今年7月にChrome OSの開発計画を明らかにし、2010年には複数のベンダーからChrome OSを搭載したネットブックが登場すると発表していた。今回のGoogle公式ブログへの投稿によると、実際にChrome OSをプリインストールしたネットブックは2010年末頃に出荷される見込みだ。
Chrome OSは、Webアプリケーションの実行に特化している。すべてのアプリケーションは、Googleが開発するWebブラウザ「Chrome」上で実行されるため、従来のようにPCにインストールして利用するデスクトップ・アプリケーションは存在しない。Chromeブラウザのタブ表示によって、複数のWebアプリケーションを同時に動かし、切り替えることもできる。
ただし現状では、従来のデスクトップ・アプリケーションとまったく同等の機能を、Webアプリケーションで利用できるとは言えない。また、対応するハードウェアや周辺機器も、WindowsやMac OSに比べて限られている。
こうした事情をふまえ、GoogleはChrome OSを搭載したネットブックを、まずは従来型PCの「サブマシン」として打ち出すシナリオを思い描いているようだ。
Googleの製品マネジメント担当副社長を務めるスンダール・ピチャイ(Sundar Pichai)氏も、「Webアプリケーションとして利用できないアプリケーションは、いまだにたくさん存在する」と認める。「Chrome OS搭載端末を2010年に購入するユーザーは、大半が(従来のOSを搭載した)別のコンピュータを所有しているものと考えている。Chrome OS端末が目指しているのは、Webにおけるすばらしいユーザー・エクスペリエンスの提供だ」(ピチャイ氏)。
ピチャイ氏はまた、Chrome OS搭載ネットブックには適さない作業があるとも述べる。「例えば弁護士が、行きつ戻りつしながら1日中かかって契約書を作成するようなケースでは、Chrome OS端末を使う意味はない」(ピチャイ氏)。
ユーザーが作成したデータや、送受信した電子メール・データなどは、すべてクラウド側に保管されることになる。したがって、何らかの理由でこの条件が受け入れられない場合も、Chrome OS端末の利用は不適切だと言える。
こうした制約がある代わりに、Chrome OSは従来のデスクトップOSと比較して起動が格段に速く、極めて安全性も高い、とGoogleは喧伝している。
Googleによるデモンストレーションでは、Chrome OSを搭載したデバイスはわずか7秒で起動した。関係者によると、この起動時間はさらに短縮可能だという。Chromeブラウザ以外のアプリケーションやプロセスを処理する必要がないため、OSの構造がシンプルで、動作スピードが速いのである。
セキュリティ面の特徴として、Chrome OSは各Webアプリケーションを「セキュリティ・サンドボックス」と呼ばれる場所へ格納する。アプリケーションに付与するアクセス権限を従来よりも大幅に制限し、万が一アプリケーションがマルウェアの侵害を受けた場合にも被害を最小限にとどめる仕組みとなっている。また、Chrome OSがセキュリティ問題を検出した場合は、自ら再起動してトラブル・シューティングを行うという。
Googleの共同創設者の1人であるセルゲイ・ブリン氏は、「Googleを商売下手と揶揄する者もいるが、これはユーザーのニーズと真剣に向き合った結果であり(中略)、コンピュータを簡単に使いたいというのがユーザーの真のニーズだとわれわれは考えている」と語っている。
(Juan Carlos Perez/IDG News Serviceマイアミ支局、Computerworld.jp)



























