グーグルの企業向け「App Engine」で問題が続出
グーグルは改善を約束、問題が解決されるまで料金を請求せず米国Googleがアプリケーション開発/ホスティング・サービス「Google App Engine」のビジネス・バージョン「App Engine for Business」を発表してから2週間が経過したが、データ・ストアのパフォーマンスは慢性的に低い状態が続いており、同社も問題があることを認めている。
App Engine for Businessでは、このあいだに機能停止、パフォーマンス低下、エラーなどの問題が続発しており、同社は5月31日にさかのぼってデータ・ストアのCPU利用料を無料とし、今後、新たな通知を出すまで料金を請求しないという措置を取った。
Googleが6月2日に「Google App Engine Blog」にポストしたエントリによると、この問題はApp Engineのほかのコンポーネントにも波及しており、原因はプラットフォームの急激な拡大にサーバの能力増強が追いついていないことにあるという。
同社のブログには、「過去数週間に起きた問題の原因はさまざまだが、その根幹には、新たなサービスを軌道に乗せるまでの産みの苦しみという事情がある。当社のサービスは、過去6か月間にわたり、2か月で25%という、驚異的なペースで成長している」と書かれている。
Googleは、この問題を解消するため、インフラストラクチャの増強に努めてはいるものの、この先2週間程度は厳しい状況が続くと見ている。
これは、極めて皮肉な巡り合わせと言えよう。Google App Engineは、クラウド・ベースのアプリケーション開発/ホスティング・プラットフォームであり、アプリケーション開発者は、サーバの問題など、コンピューティング・リソースにまつわるさまざまな問題に煩わされることなく、アプリケーション開発に注力できるとされていたからだ。
他社のクラウド・サービスと同様、Google App Engineもベンダー(この場合はGoogleだ)のほうが顧客よりもITインフラストラクチャの運用能力が高く、ハードウェアのプロビジョニングやソフトウェアのメンテナンスといった作業を安心して任せることができるという点をセールスポイントにしている。
つまり、クラウド・ベースのプラットフォームとサービスを提供するベンダーにとって最も重要なのは、ITインフラストラクチャの機能停止について顧客が思い悩まなくても済むようにすることであり、この数週間、Google App Engineで慢性的に発生しているような問題は、本来あってはならないものだ。
問題が発生したタイミングも最悪だった。同社は、5月半ばに開催した開発者向けのコンファレンス「Google I/O」で、企業向けバージョンのApp Engineを大々的に発表し、多くの注目を集めた。
App Engine for Businessは現在、ユーザー限定のプレビューが行われている段階だが、年内にはより多くのユーザーに提供されることになっている。およそ2年前にスタートしたGoogle App Engineの通常版は、コンシューマー向けWebアプリケーションの開発者を主なターゲットにしていた。
一方、App Engine for Businessは、企業内で利用するアプリケーションの開発者をターゲットとしたサービスであり、管理コンソール、稼働率99.9%のSLA(サービス品質保証)、技術サポートといった企業のIT部門が通常求める機能をサポートすることになっている。
いずれにしても、App Engine for Businessに対する企業IT部門の信頼を獲得するには、同社のプラットフォームが抱えるパフォーマンスの問題を一刻も早く解消する必要があるだろう。



























