マイクロソフトのODFサポートで表面化したOOXMLの諸問題
依然として収まらないOOXMLへの逆風米国Microsoftの「Office」スイートが来年「ODF(OpenDocument Format)」ファイル・フォーマットを追加サポートするという計画は、Microsoftが提唱する「OOXML(Office Open XML)」フォーマットが依然として逆風にさらされていることを反映している。業界でもOOXMLが抱える諸問題を意識し、ODFを採用する向きが強まっている。
OOXMLは今年4月1日にISO(国際標準化機構)で標準化されたが、その普及を妨げるさまざまな障害に直面し続けている。5月23日には、南アフリカ共和国がOOXMLのISO標準化に異議を申し立てていることが明らかになった。また、ニューヨーク州も先週、技術のオープン性とオープン・スタンダードを推進する新計画を打ち出したが、利用者の要望に基づく標準ファイル・フォーマットとしてODFを公式に奨励した。
ニューヨーク州がWeb上に公開した報告書には、「独自フォーマットを採用し、ODFを直接サポートするのを控えているベンダーの理由が、“幅広い顧客の要望があるかどうかが不明”ということだけならば、ニューヨーク州ではすでにそうした要望があるということを認識すべきだ」と記されている。
一方、現行仕様のOOXMLの完全サポートが遅れているなか、Microsoftは5月21日、2009年前半にリリース予定の「Office 2007 Service Pack 2(SP2)」でODFを標準サポートすると発表した(関連記事)。Officeが現行仕様のOOXMLを完全サポートするのは次期バージョンの「Office 14」(開発コード名)以降となるが、Office 14のリリース日は発表されていない。
解消しないOOXMLとODFとの対立関係
米国の調査会社The 451 Groupのアナリスト、ジェイ・ライマン(Jay Lyman)氏は、「MicrosoftはODFのサポートに乗り出したことで、顧客からオープンソースやオープン・スタンダード、相互運用性へのサポートを拡大するよう圧力を受けている。ここで言う顧客とは、主に米国の諸自治体と世界各国の政府のことだ」と指摘する。
さらに同氏は、「現在、ファイル・フォーマットの見直しを進めている各国政府や自治体は、OOXMLよりもODFのほうに利点があると考えている。ODFはすでに標準化されており、多くの大手ベンダーから支持を受け、世界中で採用されているからだ」と述べている。
マサチューセッツ州ボストンにある法律事務所Gesmer Updegroveの弁護士でオープンソースの支持者であるアンドリュー・アップデグローブ(Andrew Updegrove)氏は、「南アフリカの異議申し立ては、OOXMLが、すでに承認されているODFに代わるファイル・フォーマットとして生き残れるかという点に疑問を投げかけるものだ。この問題が解決するまで、OOXMLが国際標準であるとだれにも言えなくなった」と指摘している。
Updegrove氏は加えて、「Microsoftは南アフリカの異議申し立てを真摯に受け止めるべきだ。短期間でこの問題を解決し、このフォーマットを急いで採用しなければならない理由などはない」と語る。
Microsoftは、南アフリカの申し立てに関するコメントを控えており、この問題はISOとIEC(国際電気標準会議)、南アフリカの標準化団体との間の問題であると指摘するにとどめている。一方、ODFを推奨するというニューヨーク州の決定については、Microsoftの相互運用性担当シニア・ディレクターのジェイソン・マツソー(Jason Matusow)氏が、「ニューヨーク州は報告書の中でコスト・パフォーマンスに基づいて技術を検討することを求めており、オープン性は多くの検討材料の1つにすぎない」と述べている。
また同氏は、ニューヨーク州の当局者が州議会に対して特定の文書作成・保存技術の採用を州法によって義務づけないよう提言していることを指摘し、「これは同州が他のファイル・フォーマットを差し置いてODFを公式に支持する可能性が低いことを示している」と強調している。
記事協力:Peter Sayer/IDG News Serviceパリ支局
(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)
























