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【インタビュー】

マイクロソフトのクラウド戦略――レイ・オジー氏が語る「Windows進化論」とは

「Windows Azureは開発者が“価値”を生み出す場になる」
(2008年11月19日)

Microsoftのチーフ・ソフトウェア・アーキテクト、レイ・オジー(Ray Ozzie)氏

 今年10月にロサンゼルスで開催された米国Microsoft主催の開発者向けイベント「Professional Developers Conference(PDC)」の目玉は、何と言ってもインフラストラクチャ上でサービスを開発・運用できるクラウド・コンピューティング・プラットフォーム「Windows Azure」(以下、Azure)であった。

 PDCの基調講演で、Azureを発表したのが同社のチーフ・ソフトウェア・アーキテクト(CSA)、レイ・オジー(Ray Ozzie)氏であったところにも、MicrosoftがAzureにかける期待の大きさがうかがえる。

 実はAzureは、Microsoftへ移籍する前に、オジー氏が自ら興したGroove Networksで開発を手がけていた製品であり、Webに対する同氏のビジョンを集大成したものであると言っても過言ではないのだ。ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の跡を継いで、Microsoftの屋台骨であるWindowsの開発の指揮を執るオジー氏。IDG News Serviceではそんな同氏に、あらためてAzureやクラウド・コンピューティングに対する考え方、そしてWindows OSの未来に関する思いを聞いた。

――Azureは開発プラットフォームであると同時に、Microsoftのアプリケーションを、Web上で利用できるようにするという役割も担っている。この2つの用途を持ったAzureを発表した背景を教えていただきたい。

 われわれは自社の知的財産を意識しつつ、現在のトレンドに着目した。人々はスケーラビリティの高いインターネット・サービスを提供できるMicrosoftのシステムに、大きな関心を寄せ始めているようだ。そこでわれわれは、新たなコンピュータ、すなわちクラウド上のコンピュータの出番であると判断したわけだ。この判断は、われわれの一大決心を表したものだと言える。

――クラウド・コンピューティングが“出番”を迎えたと判断したのは、いつごろのことか。

 私が覚えているかぎりでは、(クラウド・コンピューティングに関して)最初に文書を書いたのは2005年12月のことだ。そして2006年には、1年間を通してクラウド・コンピューティングについての話し合いを重ねてきた。

 ちなみに、同分野における米国Amazon.comの取り組みには、個人的には深い敬意を払っている。しかしながら、彼らの取り組みは、既存のOSを利用して、それらをクラウドに対応させるホスティング・モデルを基本としており、われわれの取り組みとはあまり重ならない。

 いずれにせよ、Microsoftは、クラウド上のコンピュータという“第3の層”が重要な役割を担うに至ったと判断した。“層”とは概念的なものであり、パーソナル・コンピュータ(PC)が第1の層、企業向けのWindowsサーバが第2の層、世界中のWebに向けたクラウド・コンピュータが第3の層であると考えていただきたい。

――Azureプロジェクトで、最初に行ったことは何か。

 われわれが最初にやらなければならなかったのは、Azureが開発者にどのような変化をもたらし、長期的なスパンにおいて企業にどういった利益をもたらすのかを把握することだった。そういうところから始めたので、Azureのプロジェクトを遂行するために数年もの歳月が必要だったわけだ。

 また、同プラットフォームを介してMicrosoftのビジネス・アプリケーションをオンラインで提供したり、Webメール・サービスの「Hotmail」をはじめとするコンシューマー向けのアプリケーションと連携させたりする方法も、Azureプロジェクトの中で検討しなければならなかった。

 だが、Windowsもクラウド上で展開しようと方向性を決めてからは、(Microsoftの)社内のみでAPI(Application Programming Interface)を開発して各部門に提供するよりも、社外の人々にAPIを開放することで、多くの開発者がさまざまな“価値”を生み出すことを期待したほうがよいという流れになった。

 この流れは、必ずや、われわれのアプリケーション開発の効率化に貢献してくれることになるはずだ。社内で得られるフィードバックにとどまらず、社外の人々から公平な意見を提供してもらうことで、われわれは自分たちの開発成果を客観視できるようになるだろう。

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