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Home Editionは“Vista”ではない――マイクロソフト社内の議論が明らかに

「Vista Capable」プログラムの是非を問う訴訟で公表
(2009年01月23日)

 米国Microsoft社内のあるグループが2005年、Windows Vista Home Basicは「ユーザーがVistaに期待しているようなものではない」として、その製品名から「Vista」という名称を外すようにと提案していたことが、水曜日に法廷で開示された文書で明らかになった。

 同文書は、Microsoftが2007年1月のVista発売前に実施した「Vista Capable」プログラムで消費者を誤解させたとする集団訴訟において、原告側から2008年12月8日に提出され、米国地裁の裁判官マーシャ・ペクマン(Marsha Pechman)氏が1月22日限定で公開した。なお、原告側弁護士は同文書を「白書」と称している。

 白書には、「MicrosoftはHome Basicを“Vista”と呼ぶべきかどうかを真剣に話し合った」と記されている。原告は、訴訟の発端となった2005年8月のMicrosoftの社内メールを引用し、「Windows製品のマネジメント・グループは、Vistaではなく、別のWindowsブランドでHome Basicを発売すべきという意見だった」と主張している。

 また、Home BasicからVistaという名称を取り除くことが、「Windows Vista Premium Editionのような画面表示こそがVistaであるというユーザーの考えに、よりマッチする」としている。

 だが、「大口のOEMパートナーからの強いエンドースメントのために」Home Basicの製品名からVistaを外すという案は棄却されたとのことだ。特に世界第2位のPCメーカーであるDellが、Home BasicをVistaとして販売することに賛同したのだという。

 MicrosoftはVista Capableプログラムを低価格PCにも適用できるようにHome BasicもVistaとしたが、原告はAeroインタフェースが動作しないHome Basicは“本当の”Vistaではないと主張している。実際にMicrosoft側でも、Aero非対応のIntel製旧式グラフィック・チップを搭載したPCを同プログラムから除外するために、2006年初頭にVista Capableのハードウェア規定を変更している。

 一方のMicrosoftは、これが消費者をだましていることにはならず、Home Basicは正当なVistaであると反論している。同社は水曜日に回答書を提出し、この主張を繰り返した。その回答書には、「コンピュータ・コードと開発の観点から、ある陪審は、Windows Vista Home BasicはWindows Vistaに含まれるとしか結論できないと判断した」と記されている。

 さらに、白書は事実をゆがめているとも指摘している。同社によれば、白書には原告の主張よりも中立的な意見が書かれているという。それは、「Windows Vistaという名称をWindows Vista Home Basicから取り除けば、顧客が混乱することになる。Home Basicを搭載したPCでも“最新のOSが入っていない”という誤解を招く可能性がある」という個所だ。

 「Microsoftには、ソフトウェア製品を定義し、各エディションのなかのソフトウェアをライセンスし、それぞれのエディションにどの機能を組み込むかを決定し、より高機能のバージョンには高い価格を設定する権利が、法律によって与えられている」と同社は主張する。

 これは、自動車メーカーが同じラインの複数モデルを発売するときに、それぞれのモデルが持つ機能に対して異なる価格を設定するのと同じことだ。「トヨタが広告で最高級モデルのカムリのみを見せていたとしても、エントリー・レベルのカムリを“カムリ”と呼ぶべきはないとする法律はない」と、Microsoftは述べている。

 この訴訟は、ハードウェア要件に関してMicrosoftがIntelからのプレッシャーに負けたことを示す社内メールで注目されてきた。このメールは、古くからのパートナーである米国Hewlett-Packardを激高させることにもなった。また、2007年のVistaリリース後、Microsoftのトップ経営陣がフラストレーションを抱えていたとする社内メールも約1年前に公表された。なお、訴訟は2007年4月に提出され、2008年2月に集団代表訴訟の形式で受諾された。裁判は4月に予定されている。

(Gregg Keizer/ComputerWorld米国版)

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