Vistaの値下げ効果は「未知数」――アナリストが分析
「Microsoftの思惑どおりにはいかない」との見方も米国Microsoftは2月28日、Windows Vistaの価格を引き下げる計画を明らかにした。これを機にVistaの普及を少しでも拡大したいというのが同社の思惑だが、その効果は未知数だ。
米国の調査会社Directions on Microsoftのアナリスト、マイケル・チェリー(Michael Cherry)氏は、「Vistaの購入障壁を取り除くための措置なのだろうが、製品の購入に必要な情報をわかりやすくする対策が何も盛り込まれていない。製品のバージョンや稼働に必要なハードウェア条件がわかりにくいため、製品の価格まで検討する余裕がないというのがユーザーの実情だ」と指摘する。
Microsoftは、値下げの詳細(値下げ幅や実施時期など)については明らかにしていないが、一部途上国の市場では50%の値下げになると説明している。同社幹部によると、値下げは、年内に予定されているVistaのService Pack 1(SP1)の発売に合わせて実施されるという。
米国で販売されているWindows Vistaのエディションは、Home Basic、Home Premium、Business、Ultimateの4つだが、一部の市場では、基本的な機能だけを搭載したVista Starterと呼ばれるバージョンも販売されている。
また、ハードウェア条件にまつわる混乱も生じており、これが「Windows Vista Capable」と呼ばれるマーケティング・プログラムを巡るMicrosoftを相手取った集団訴訟の最大の争点となっている。原告によると、このプログラムは、昨年下半期に出荷された性能の低いPCでも、Vista Home Basicだけでなく、Vistaの全バージョンを稼働させることができるという誤解を消費者に与える内容になっていたという。
しかしMicrosoftは、価格を引き下げるだけで、バージョンの種類を減らすといった方針は示していない。また、値下げ幅については、一部の途上国では50%とするものの、米国や欧州などでは数%あるいは値下げしない可能性もあるという。
Cherry氏は、新しいPCにWindowsをプレインストールして販売するリセラーによる売上げが、クライアントOS全体の売上げの約80%を占めているため、Vistaの小売価格を引き下げたところで売上げにさほど大きな影響は出ないと見ている。同氏は、「問題の核心は、値下げによって実際にどれだけ売れるかにある」と指摘したうえで、「Microsoftが製品価格を引き下げるのは尋常なことではない。同社にとって今は非常事態なのかもしれない」と述べている。
同氏は加えて、「Vistaの最新技術の必要性を感じているユーザーが少ないのも問題だ。新機能の追加によってソフトウェアが肥大化しても、ハードウェアが進化するため微調整など必要ないというのがMicrosoftのこれまでの基本的な考え方だったが、Vistaに関しては同社の思惑どおりになっていないようだ」と語っている。
(Gregg Keizer/Computerworld オンライン米国版)



























