経営学の専門家が提唱、「上場企業の役員は自身の健康情報をSECに開示すべき」|コンプライアンス|トピックス|Computerworld

CW_Welcomeバナー

header_cwr_head_mid_fl_logo

CW_ADJUST_ウルトラバナー

CW_ウルトラバナー_Topics02

CW_ウルトラバナー_Topics04

CW_ウルトラバナー_Topics05

CW_ウルトラバナー_Topics06

CW_ウルトラバナー_Topics07

CW_ウルトラバナー_Topics08

コンプライアンス

RSS

経営学の専門家が提唱、「上場企業の役員は自身の健康情報をSECに開示すべき」

アップルのジョブズ氏を例に、「CEOの健康情報は株価に直結する」との見解
(2009年01月21日)

 米国証券取引委員会(SEC)は上場企業に対し、役員の健康状態に関する詳細情報公開を要求すべきである――。ある大学の准教授は、米国AppleのCEO、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が病気療養のため長期休暇を取ったことに関連し、このような論文を発表した。

 「When the CEO is Ill: Keeping Quiet or Going Public(CEOが病気になったとき、企業は沈黙を守るべきか、情報を公開するべきか)」と題した論文を発表したのは、テキサス・クリスチャン大学ニーリー・スクール・オブ・ビジネス(Neeley School of Business at Texas Christian University)の経営学部準教授であるアレクサ・A.ペリマン(Alexa A. Perryman)氏。論文の中で同氏は、「(SECは)CEOの健康状態に関する情報を、企業に公開を求める“重要事実”として指定するべきだ」と指摘している。

 この論文でペリマン氏は、1976年に企業の開示する情報の内容が争点となった「TSC Industries 対 Northway裁判」を例に挙げている。同裁判で最高裁は、企業の将来性、あるいは証券市場における価値に影響を及ぼす可能性のあるすべての情報は、“重要事実”と定義した。

 ペリマン氏は1月20日の電話インタビューで、「今のところSECは、上場企業役員の健康情報の開示に関する具体的なガイドラインを定めていない」と指摘した。とりわけジョブズ氏のようなカリスマ経営者の場合、株主や業界専門家の間では(情報が錯綜することから)混乱や意見の相違が生じるというのが同氏の主張だ。

 ジョブズ氏の健康状態については、個人的な問題だとする人がいる一方で、会社の株価に直接影響を与えている以上、株主に(健康情報を)公開するべきだと主張する人もいる。

 後者の立場をとるペリマン氏は、「CEOの健康状態は、その経営能力に影響を与える可能性が高く、一定期間仕事ができない場合もある。SECはこの問題に対して、もっと積極的な姿勢で臨むべきだ」と強調する。

 ジョブズ氏は1月14日、同社社員に長期休暇を取ると電子メールで報告した(関連記事)。ジョブズ氏は長期休暇の理由を、「健康問題と体重減少の問題(ホルモン・バランスの不均衡)が、当初考えていたよりも複雑だったため」とだけ説明していた。

 ペリマン氏は、健康状態の情報公開がプライバシー上の問題をはらむ可能性があることを認めながらも、「(ジョブズ氏のような)著名なCEOの場合、個人情報がある程度公開されるのは、しかたのないことだ」と語っている。

 ジョブズ氏の存在は、Appleのブランドに直結している。同氏の一挙手一投足が、同社のビジョンに影響を及ぼすと言っても過言ではない。

 こうした事実を引き合いにペリマン氏は、「ジョブズ氏はみずからの健康状態を経営陣や株主に説明し、(彼らが)投資判断を下せるようにする情報開示義務があった」と主張している。

 「ジョブズ氏が健康状態に関する情報をきちんと公開せず、株主の間に疑念を生じさせたことで、Appleの社会的なイメージも傷ついた」(ペリマン氏)

 なおペリマン氏の論文は、他の研究者たちと共同執筆されたもので、今後出版される学術雑誌「Business Horizons」に掲載される予定だ。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)

記事詳細テキストバナー

ページの先頭へ戻る