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インテルに挑むARM――低消費電力のサーバ向けマルチコアCPUを開発へ

シェア獲得のカギは、ARMアーキテクチャをサポートするインフラの整備
(2008年06月20日)

 英国の半導体設計会社ARMが、マルチコア構成のサーバ向けプロセッサを引っ提げ、市場を支配するIntelに戦いを挑もうとしている。しかし、サーバCPU市場の大勢はx86アーキテクチャになびいており、ARMアーキテクチャをサポートするソフトウェア・インフラストラクチャも存在しないため、厳しい戦いが予想される。

 ARMのエンタープライズ・ソリューション担当ディレクター、イアン・ファーガソン(Ian Ferguson)氏によると、消費電力の低いARMアーキテクチャをサーバ用チップに応用できないかという問い合わせが、複数のチップ・メーカーから来ているという。消費電力を低減できれば、サーバの総保有コストを下げることにつながるためだ。

 ARMが昨年10月に発表したマルチコア・チップ「Cortex-A9」は、もともとモバイル・デバイス用に設計されたものだが、サーバ向けに応用すれば1つのチップに4つのコアを組み込むことができると、Ferguson氏は説明する。

 Cortex-A9を搭載した携帯電話は来年出荷される予定だ。ARMはモバイル市場だけでなく、他の市場も視野に入れながらチップ設計にも取り組んでいる。

 とはいえ、サーバ分野ではx86サーバ・アーキテクチャの普及が進んでおり、ARMがIntelにまともにぶつかっても勝ち目はない。ARMとしては、低消費電力チップの設計を通じて積み上げてきた実績をてこに、シェア獲得をねらうしかないように思える。

 Ferguson氏は、クロック周波数でIntelに対抗するつもりはないと語る。特定のサーバ市場で受け入れ可能なレベルのパフォーマンスを低い消費電力で実現するというのが、ARMが描くシナリオなのだ。Webサーバやオープンソース・アプリケーションなどの用途に対応するローエンドからミッドレンジ・クラスのサーバが有望と同氏はみているようだ。

 Ferguson氏によると、ARM設計のCPUを搭載したサーバは、必要に応じコアを追加することでパフォーマンスを高めることができ、使用しないときにはCPUをパワーダウンさせることもできる。また、グラフィックス・アクセラレーションやネットワーキングなどのサポートについても問題はないという。

 しかし、数の上ではx86チップが大部分を占めるサーバ市場で存在感を示すことは容易ではない。米国の調査会社Mercury Researchの主任アナリスト、ディーン・マッキャロン(Dean McCarron)氏は、ARMが自社のチップ設計を普及させるには明確な特徴を打ち出す必要があると指摘する。

 確かに、ARMチップは電力効率が高く、Linuxが稼働するローエンド・サーバには適している。だが、同社のコア・アーキテクチャをサポートするサーバ・ソフトのインフラストラクチャを整備するとなると話は変わってくる。

 ARMのFerguson氏も、ソフト・インフラストラクチャの整備がきわめて困難な課題であることは認めている。しかしそれでも、その困難を克服していくと強調する。「われわれには、MicrosoftやAdobe Systemsなどのソフトウェア・ベンダーと協力して、当社のチップ・アーキテクチャをサポートするソフトウェア・インフラストラクチャの整備に努めてきた実績がある」(Ferguson氏)

(Agam Shah/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)

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