テキサス・インスツルメンツ、モバイル機器向けチップ「OMAP4」を年内に量産出荷
SMP対応のARM Cortex-A9 MPCoreがベース米国テキサス・インスツルメンツ(TI)は8月9日、スマートフォンやタブレットのようなモバイル・デバイス向けの新型アプリケーション・プラットフォーム「OMAP4」の最初の製品となるデュアルコア・チップ「OMAP4430」を年内に出荷すると発表した。
OMAP4430は2009年2月に発表されたもので、既存の「OMAP3」プラットフォームのシングルコア・チップと比べて2倍の性能を発揮する。「この新型チップはモバイル・デバイス上のアプリケーションを高速化する」と、TIのOMAPスマートフォン事業部門の製品管理ディレクター、ロバート・トルバート(Robert Tolbert)氏は語っている。
また、OMAP4430により、モバイル・デバイスでも1,080pの高精細ビデオ再生が可能になるという。同チップのクロック周波数は最大1GHzで、消費電力は従来製品より最大50%少なくなっている。
「OMAP4430の性能や機能の向上点の多くは、新しいプロセッサ設計の実装によるものだ」と、トルバート氏は説明する。同チップは、SMPをサポートする英国ARMの「Cortex-A9 MPCore」プロセッサ設計に基づいている。TIの既存のOMAP3ファミリ・チップは「Cortex-A8」ベースだった。例えば、米国Motorolaが最近リリースしたスマートフォン「Droid X」では、Cortex-A8ベースの「OMAP3630」が採用されている。
OMAP3630を搭載するデバイスでは、720pビデオを4時間再生できるのに対し、OMAP4430搭載デバイスでは、1,080pビデオを10時間再生できる。OMAP4430搭載デバイスの720pビデオの再生時間は15時間以上だ。
TIは、OMAP4430が年内にもモバイル・デバイスに搭載されるように量産準備を進めているが、トルバート氏は、同チップを採用する顧客の名前を明らかにしなかった。
Motorolaは以前、将来のスマートフォンにデュアルコア・チップを搭載する考えを表明しているが、そうしたスマートフォンのリリース時期は発表していない。
TIはスマートフォン分野で強力なプレゼンスを発揮しているが、OMAP4ファミリ・チップについては、タブレットのような携帯型コンピューティング・デバイスへの搭載も狙っていると、トルバート氏は述べている。すでに、米国NVIDIAがCortex-A9設計ベースのタブレット向けチップを発表している。
OMAP4430は45nm(ナノメートル)プロセスで製造されるが、TIは将来的に28nmプロセスに移行する計画であるという。28nmプロセスでの製造が実現すれば、チップの性能および機能の向上や省電力化がさらに進む見通しだ。
一方、トルバート氏は、TIとARMが、年内に発表されるARMの「Cortex-A」シリーズ・プロセッサ・コアの次世代版「Eagle」に基づくチップをTIが製造することで合意していることも明らかにした。TIはARMのチップ設計に協力してきた。TIはEagleを基にOMAPファミリ・チップを強化、拡充する計画だ。同氏によると、TIは年内にEagleベース・チップの詳細を発表するという。
(Agam Shah/IDG News Serviceニューヨーク支局)



























