NRIが説く、開発プロジェクトを成功に導く秘訣とは
「IT基盤の部分最適化は“凶”」――全体最適を実現する開発フレームワークの必要性を強調「IT基盤の部分最適は往々にして“凶”と出る」――。8月20日に東京都内で開催された技術コンファレンス「JavaWorld DAY 2008」(IDGジャパン主催)において、野村総合研究所(NRI)の情報技術本部共通基盤推進部、新田恒三郎氏がIT基盤の全体最適を実現する開発フレームワークの必要性を訴えた。
新田氏はまず、過去1年間に及ぶシステム開発プロジェクトの約3割が不成功に終わっているという調査結果を示し、IT環境の多様化や開発期間の短期化、仕様変更の頻発といったマクロ的視点と開発現場視点から見た、システム開発環境を取り巻く現在の問題点を指摘した。特に大規模システム開発の現場では、これらの要因に加えて、オフショア利用時のコミュニケーション・ロスやアプリケーションの複雑化など、いっそう厳しい状況になっているという。
こうした状況を改善するツールを企業は導入しようとするが、開発プロジェクトの成功率アップを目指した部分最適化が、プロジェクトの足を逆に引っ張る要因になりかねない、というのがNRIの見解だ。新田氏によれば、ハードウェア/OS/ソフトウェア製品/ミドルウェアという製品の積み上げではなく、基盤構築・維持/技術・開発標準/製品評価/キャパシティ・プランニングなどを含んだ、より広義の意味でIT基盤をとらえ、全体最適化を図ることが重要だと強調した。
NRIには、J2EE(Java 2 Enterprise Edition)の立ち上がり当初からIT基盤の全体最適化を推進する開発フレームワークを提供してきたという歴史がある。昨今では、開発フレームワークは広く浸透してきており、それを利用した設計・開発プロセスの標準化が進んでいる。標準化の推進により、短期間化/低コスト化というシステム開発ニーズに企業は対応してきたわけだ。
しかし、開発現場では新たな課題が表面化してきている、と新田氏は語る。「今では、新しい技術や仕様への対応のほか、人員不足からくるフレームワークのサポート範囲拡大というニーズが開発現場で強くなっている」(新田氏)
こうした背景の1つには、オープンソース・ソフトウェア基盤やJava関連技術/標準仕様の広がりが関係しているという。つまり、オープンソース(例えばLinuxやEclipse)の成熟化が進んでおり、それを有効活用した機能の標準化などをより広範な開発プロセスに当てはめ、生産性を高めようというわけだ。こうしたニーズに応えるため、NRIは、変化の激しいオープンな技術仕様を今後も迅速に開発フレームワークに取り込んでいく考えである。
そして新田氏は、システム開発環境をマクロ視点と開発現場視点でとらえる、NRIの開発フレームワーク「ObjectWorks+」を紹介した。同氏は、ObjectWorks+を、ここまで同氏が語った開発フレームワークに対するNRIの理念を詰め込んだような製品であると形容した。
新田氏は最後に、ObjectWorks+に加えて標準化手法/ノウハウのコンサル・サービスなどの提供を通し、システム開発、そして開発現場をこれからもサポートしていくというNRIのスタンスを強調した。
(山上朝之/Computerworld)



























