オラクル、SaaS型/自社導入型CRMアプリを統合した製品を発表
両製品の利点を生かし、セールスフォースに対抗米国Oracleは、8月27日、同社のSaaS(Software as a Service)型CRMアプリケーション「Oracle CRM On Demand」と自社導入型CRMアプリケーション「Siebel CRM」を統合し、複数のCRMデータを一元的に表示できるソリューション「Oracle CRM On Demand Integration to Siebel CRM」を発表した。
同ソリューションは、同社のSOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づく異種アプリケーション統合基盤「Oracle Application Integration Architecture(AIA)」とミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」を使用するもので、価格は明らかにされていない。同社によると、オンデマンド・モデルには、新規ユーザーを容易に獲得できるというメリットがあり、それに自社導入型CRMを統合するハイブリッド・アプローチを採用すれば、両方のシステムから引き出したデータを1度に分析することが可能になるとしている
Oracle CRM On Demand Integration to Siebel CRMに関する同社のニュース・リリースは、顧客にとっての利点を強調する内容になっている。しかし、同社の真の目的は、ひたすらオンデマンド・モデルの利点を強調する戦略を推進している米国Salesforce.comの挑戦をかわすことにある。
米国AMR Researchのアナリスト、ブルース・リチャードソン(Bruce Richardson)氏は、「(今回のOracleの発表は)Salesforceに対抗するためのものだ。エンド・ツー・エンドのビジネス・プロセスの実現を強調しながら、Salesforceのソリューションは袋小路のサイロになっていると強調するつもりだろう。ただし、それによってSiebel CRMの需要拡大につながるとは思えない」と語っている。
米国Beagle Researchのデニス・ポンブライアント(Denis Pombriant)氏は、リチャードソン氏の見方におおむね同意しているが、Salesforceも自社のユーザーどうしでデータ共有を可能にするサービス「Salesforce to Salesforce」を提供しており、Siebelなどの他社システムを結び付ける強力な機能もあると指摘している。
「(Oracleの発表は)Siebelの顧客がよそ見をしないようにするための戦略だろう」とポンブライアント氏。
Oracleは、オンデマンド製品の提供に対してこれまで慎重なアプローチを取ってきた。同社CEOのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏は、今年5月に行われた決算発表時の電話会見で、オンデマンド製品は10年ほど前から提供してきたが、収益が出るようになったのはごく最近のことだと発言していた。
このときエリソン氏は、「オンデマンド製品の販売で利益を出せるよう業界全体でさらに努力する必要がある。われわれは今まさにこの課題に取り組んでおり、事業拡大はそのあとだ」と語っていた。
Salesforce.comの株価は、先ごろ四半期決算を発表したあと、急速に下落している。この決算では売上高こそアナリストの事前予測を上回ったものの、今後成長が鈍化する兆候も現れていた。
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)



























