ベンダーの新旧交代で変貌する、コンタクトセンター・インフラ
SIPの普及でビジネス・アプリとの連携が高度化。課題はベンダー間の互換性米国の調査会社Gartnerはこのほど、コンタクトセンター向けインフラストラクチャ市場の今後の技術革新の行方を展望するとともに、主要ベンダー7社の製品の強みと弱みを分析した調査報告書「Magic Quadrant for Contact Center Infrastructure, Worldwide」を発表した。
報告書では、通話制御プロトコルSIP(Session Initiation Protocol)をベースにした最新のコールセンター・プラットフォームを紹介している。これを使えば、プレゼンス(在席)情報を利用して適切な担当者を見つけたり、CRMアプリケーションとデータ統合することで電話をかけてきた顧客の包括的な情報を担当者に提供したりすることができるようになる。またこのシステムは、モバイル・クライアントも利用することができるため、在宅勤務者や出張先にいるスタッフなどにコンタクトすることで、高度な専門知識が求められるような問い合わせにも迅速に対応することが可能になる。
さらに、CRMデータを駆使すれば、顧客が契約しているサービスの水準や通話履歴に基づいて、対応する順番を調整することもできる。
ただしGartnerは、あるベンダーのコンタクトセンター・ソリューションを別のベンダーのSIPベース電話インフラストラクチャ上で使用するのは難しいという問題点も指摘している。製品間の互換性に乏しいため一部の機能が使えなくなったり、互換性の問題を避けるために同一ベンダーの製品で統一せざるをえなくなったりといった事例が増えているのだ。
Gartnerによると、コンタクトセンターに求められる機能が、単なる電話からソフトウェア・ベースのマルチメディア・システムへと移行するのに伴い、既存の電話製品ベンダーの市場支配が弱まる一方で、俊敏性に富む新規ベンダーが続々と参入してきている。
同社は報告書の中で、「既存の電話製品ベンダーは、コンタクトセンター・インフラストラクチャの導入や更新を計画している企業に、旧態依然とした『最も楽な道』を選ばせようとしている。しかし最近では、コストや機能、アーキテクチャの強度といった点で、既存ベンダーの製品を凌駕するような新規参入ベンダーの製品が登場している」と指摘している。
そのうえでGartnerは、コンタクトセンター製品の有力な新規参入ベンダーとして、フランスのAlcatel-Lucent、米国Aspect Software、米国Avaya、米国Cisco Systems、米国Genesis、米国Interactive Intelligence、カナダのNortel Networksの7社を取り上げ、各社の長所と短所の分析を行っている。
まず、Alcatel-Lucentは、コンタクトセンター製品の「OmniTouch」と電話システム「OmniPCX」の統合で大きな成果を上げているが、他社製品に対応していないという問題がある。
次にAspectの製品は、各社のPBX(交換機)と統合可能だが、ダイヤラーと自動通話分配プラットフォームが一本化されていないために混乱が生じる可能性がある。また、主に着信通話に使用する場合には、他の製品との調整も必要になる。
Avayaは、多彩なコールセンター・インフラストラクチャとアプリケーションをそろえているが、同社のVoIP(Voice over IP)システムと同時に導入することが前提となる。
同様にCiscoも多彩なポートフォリオと優れたパートナーを擁しているが、サードパーティのインフラストラクチャへの対応という点で問題があるうえ、他ベンダーの同等製品に比べ機能も少ない。
Genesysは、自社のコールセンター・プラットフォームに統合できる多彩なコンタクトセンター・アプリケーションを備えており、顧客サービスも充実しているが、他社製品よりも高価なため、大企業でなければコスト効率を発揮できない。
これに対し、中小企業を主な対象とするInteractive Intelligenceは、各種のアプリケーションを緊密に統合し、複数ブランドのPBXやIP-PBXにも対応しているが、機能面でやや見劣りがする。
最後のNortelは、Webサービスを利用してコンタクトセンター・アプリケーションとビジネス・アプリケーションをうまく統合しているが、開発や管理、リポート作成などの機能をサポートするツール・セットの開発が遅れている。
(Tim Greene/Network World米国版)



























