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“秘密主義下の情報共有”は困難そのもの――CIAのIntellipediaプロジェクト担当者

WikiやIM、ソーシャル・ブックマーク、“CIA版YouTube”などWeb 2.0技術を駆使
(2008年06月11日)

 米国中央情報局(Central Intelligence Agency:CIA)の「Intellipedia」は、米国政府情報機関同士の情報共有の促進を目的に数年前に始動したコンテンツ管理システム(CMS)プロジェクトだ(関連記事)。今はまだ試運転の段階にあるが、同プロジェクトを担当する2名のCIA職員が6月10日に語ったところによると、このプロジェクトには、各種のWeb 2.0技術が組み込まれているという。

 名称から推察されるように、Intellipediaプロジェクトの核となっているのは、オンライン百科事典の「Wikipedia」と同じソフトウェアで構築されたWikiコンテンツである。

 Intellipediaでは、情報の機密レベルに応じて、「非機密」「機密」「最高機密」の3つの階層に分かれている。プロジェクトの始動から数年を経た今、IntellipediaにはJabberベースのインスタント・メッセージング(IM)クライアントのほか、ソーシャル・ブックマークの「del.icio.us」に似たタグ付けの仕組みやRSSフィード、イメージ・ギャラリー、さらには“CIA版YouTube”とも呼ぶべき動画コンテンツ共有システムまで組み込まれているという。


権限なき者のIntellipediaへのアクセスはもちろん許されていないが、「All news, All about Intellipedia!」という題名のIntellipedia非公式ブログが存在する

 “Intellipedia Doyen”(Intellipediaの長老)という肩書きを持つドン・バーク(Don Burke)氏と、“Intellipedia Evangelist”のショーン・デネヒー(Sean Dennehy)氏によると、このCMSプロジェクトは、「組織間の垣根を超えて機能している」という。

 両氏によると、CIAは、Intellipediaをいずれは全米の情報機関が情報を交換し合う場にしたい考えだという。「すでに成果は上がりつつあるが、最終目標の達成はまだ遠い先の話だ」と両氏。それでも、Intellipediaの登録ユーザー数は2007年7月の2万人から、現在では3万5,000人に増えており、コンテンツも20万ページ以上に及んでいる。

 ただしBurke氏によると、秘密主義の情報機関同士で情報を共有するという概念をCIAの疑い深い職員らに納得させるのは容易ではなかったという。「技術的な問題よりも文化的な問題のほうが大きかった」と同氏は説明する。

 なお、両氏はwikiをはじめとする各種Web 2.0技術の採用を考えている企業に対し、次のようにアドバイスしている。「いずれにせよ、情報の分類や収集は毎日行う作業だ。新規のプロセスが増えるというより、既存のプロセスを新規のツールに移行すると考えればよい」(Burke氏)

 「『Intellipedia用に情報を編集する時間などない』というような反応も多いが、実際のところ、今でもメールや共有ファイル・サーバで行っていることを、こうした新しいツールを活用することになるというだけの話だ」(Dennehy氏)

 Dennehy氏は、どの企業も、こうした取り組みを段階的に進めていくべきだと指摘する。「簡単なことだ。新しいツールに抵抗を感じている人たちには、とにかく試してみてもらうことだ。最初の壁を低くすれば、受け入れてもらいやすいはずだ」(Dennehy氏)

(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)

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