サイボウズ、新しいPaaSとともにクラウド事業へ本格参入
クラウドの懸念点を解決し、メリットを最大限に引き出す
サイボウズは11月7日、ノンプログラミングで業務アプリケーションの作成、運用ができるPaaS「kintone」とともに、今後のクラウド戦略を発表した。同社は、ユーザーがクラウドに対して抱えているセキュリティへの懸念やサービスに関する信頼性についてなど、さまざまな角度から“クラウド”を分析、最大限にメリットが享受できるクラウドの提供を目指したという
クラウドは現在、パブリッククラウドとプライベートクラウドの二種類が主流となっている。パブリッククラウドは、自社のデータ資源を他社データセンターやクラウド事業者に預けるため、ハードウェア資源を保有する必要がなく投資コストや運用コストが大幅に削減できる。反面で、セキュリティ上での懸念点が多い。これに対し、プライベートクラウドは自社でクラウド環境を構築、運用するため、一定のセキュリティ性を確保できる。しかし、ハードウェア資源を保有する必要があり投資コスト、運用コストが必要となる。
サイボウズ代表取締役社長青野慶久氏は、「パブリッククラウドとプライベートクラウドの間にもう一つクラウドがあってもよいのではないか」と語り、セキュリティ性を高めるとともに、サービスとクラウド環境を一社が一括して提供することでプライベートクラウドとパブリッククラウドのメリットを兼ね添えた「プロクテクテッドクラウド」を発表した。
同社がプロクテクテッドクラウドとして提供する「cybozu.com」は、IP制限やBASIC認証など標準的なセキュリティ機能を搭載するほか、外部アクセスなどの負担を軽減するために、オプションでPKI認証サービスである「セキュアアクセス」も提供している。これらにより「2ファクター認証で強固なセキュリティを確保した」と青野氏は胸を張る。
大きな特徴としてサービスやアプリケーションとともにクラウド基盤もサイボウズが一括して提供するという点だろう。これにより、ユーザーはどこでどのようにデータが保存されているかが把握しやすく、安心感を得たうえでクラウド・サービスを利用できる。
また、同時に発表されたkintoneは、ノンプログラミングでさまざまな業務アプリケーションの作成、運用ができる同社初の本格的PaaS。テンプレートから業務アプリケーションの作成もできるが、フォームをドラッグ&ドロップで配置するなどして一から作成することもできる。
青野氏による操作デモでは、社内向けのアンケートを一から作成。アンケートの入力画面を作成するのに2分弱、回答からグラフ化された集計結果が確認できるまで5分ほどで完了した。「kintone命名の由来は筋斗雲から」と青野氏は語ったが、まさに筋斗雲のように軽く(気軽に)素早く扱えるのが大きな特徴だろう。
もちろん、アンケートだけではなく備品や売上、タスクなどの管理やデータ集計、マニュアル作成など使い方は多様であり、青野氏も「データベースとプロセス管理、そしてコミュニケーションと組織が求める機能を網羅した」と力強く語った。
同PaaSは前述のcybozu.com上で扱えるため、社内にサーバ資源などを要せず、申込から数分で扱うこともできる。価格は税抜き月額880円で、アプリケーション数やテーブル数は無制限。無料で扱える容量は1GBだが、100GB当たり税抜き月額1万円で追加することもできる。
発表の後半では、テレビやイベントなど幅広い企画を手掛けるプロデューサーおちまさと氏と青野氏が“現代の働き方”について対談を行った。
現在はITの技術、サービスが進化しており、ネットを活用すれば時間配分や業務の効率化を図ることができる。おち氏は「今、若い世代が草食系と呼ばれるが、彼らは進化系とも言える。マニュアルしかできないとも言われるが、マニュアルができる、そしてこれだけの情報の渦の中で学んでいけるのはとても素晴らしいことだ」と語る。
そして、おち氏は「昔は自分の能力を引き出してくれる良い上司に巡り合うことが重要だった。しかし現代では、自ら自分の能力を引き出す人を見つけてクラウド上のサービスを通して、すぐに“会う(コミュニケーションを図る)”こともできる」と語った。
実際、青野氏も母校である高校で講演をした後、「講演についての疑問を高校生たちがTwitterで質問してきた。躊躇なくさまざまな疑問を投げかけてくるため、こちらも楽しくなり一所懸命に回答していた」というエピソードを紹介した。高校生のこうした行動はまさに時代に順応したコミュニケーションなのではないだろうか。
このエピソードを受け、最後におち氏は「実はネットはコミュニケーションを希薄にしているのではなく、深くしているのではないか」と語った。
グループウェアを入れるとFace to Faceのコミュニケーションが阻害される、という意見もあるが、現代ではFace to Faceと同等、またはそれ以上の価値のあるコミュニケーションがITやクラウドを使い実現できるのだろう。
(Computerworld.jp)





























