「ルータとL3スイッチの違い」を正しく説明できますか?[第1回]|ネットワーク機器|トピックス|Computerworld

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ネットワーク機器

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【連載】

「ルータとL3スイッチの違い」を正しく説明できますか?[第1回]

[第1回]ルータとL3スイッチが誕生した理由
(2009年04月16日)

知人のA氏がこんなことを言っていた。「もうルータは古いよ。レイヤー3(L3)スイッチに置き換えるべきだね」と。その理由を尋ねると、「ルータはソフトウェア処理だから遅いんだ。だけど、L3スイッチはハードウェア処理だから速いのさ」と答えた。A氏曰く、すべてのルータをL3スイッチに置き換えるべきだそうだ。本連載では、ルータとL3スイッチのほんとうの違いとその役割分担について解説する。

企業ネットワークを取り巻く環境が 変化したことによって誕生したルータとL3スイッチ

 かつては通信事業者や企業向けのネットワーク機器と位置づけられていた「ルータ」は、ブロードバンド接続する家庭のネットワークにおいても身近な存在となった。現在は、セキュリティ機能や無線LAN機能を搭載したルータも珍しくない。

 ところで、読者の皆さんは、ルータがどのような経緯で登場したのかご存じだろうか。また、ルータの中心的な機能である「ルーティング」に特化した「L3スイッチ」がどうして誕生したのかを説明できるだろうか。まず、企業ネットワークの変遷を振り返りながら、両製品の生い立ちを見ていこう。

 ルータの中心となる機能は、OSI参照モデルのネットワーク層(レイヤー3)におけるルーティングである。このことから、ルータの誕生はネットワーク層のプロトコルと深い関係があることが想像できるだろう。

 商用ルータが誕生した1980年代、軍事・学術ネットワークから発展した商用ネットワークでは、ホストコンピュータとの接続に使用される「X.25」や「SNA(Systems Network Architecture)」といったレガシーなプロトコルが主に利用されていた。このころは、学術研究にかかわる一部の企業のみがインターネットに接続しており、一般企業にはインターネットへの接続はおろか、社内ネットワークすらほとんど存在していなかった。当時、企業内にネットワークを構築していたのは、世界各国に拠点を構えるグローバル企業か、ネットワーク自体をビジネスの対象としているネットワーク関連企業などに限られていた。

 当時のネットワークは、回線事業者から膨大な回線を一括して借り受けた企業が、拠点間を専用線でつないだり、X.25や独自プロトコルを使用するプライベートなパケット交換網を構築してシステム関連部署などに限られた接続を提供したりするものだった。これが、当時のWANサービスだった。

 このWAN接続で使用されていた物理線は、2芯のアナログ線である。企業内では、まずアナログモデムに接続され、その先はシリアル接続されたホストコンピュータや、端末制御装置と呼ばれるデスクトップコンピュータを束ねる特殊な機器に接続されていた。

 現在では、WANの帯域幅は1Gbpsも珍しくなくなったが、当時の通信速度は最大でも9,600bpsだった。また、このころは一般世帯までPCが普及しておらず、一部のヘビーユーザーが「パソコン通信(BBS)」と呼ばれる閉じたコンピュータネットワークに2,400bpsや9,600bpsのアナログモデムを使用して、ダイヤルアップで接続していた。当時のネットワーク構成は、センター拠点を中心とした完全な「ハブ&スポーク型」だったが、扱うデータ量とユーザー数が少なかったこともあり、細々としたトラフィックを流すには十分だった(図1)。もちろんこの段階では、まだルータは一般的な企業ネットワークに登場していない。

図1● パソコン通信全盛の時代は、センター拠点を中心としたハブ&スポーク型のネットワークで構成されていた

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