100ギガビット時代がやってくる!!!
次世代Ethernet「IEEE 802.3ba」の全貌最大100Gbpsを達成する次世代高速化Ethernet技術「IEEE 802.3ba」の標準化作業が、現在、米国電気電子学会(IEEE)の手で進められている。世界各地でブロードバンド網が整備され、ビデオに代表されるリッチ・コンテンツが急増するなか、100Gbpsという想像を絶する帯域を提供する同規格には大きな期待が寄せられている。標準化完了を1年後に控えた次世代Ethernetを取り上げ、その技術的ポイントや導入検討時の注意点などについて解説する。
「限界」近づく 10GEのトラフィック処理
今はインターネット全盛の時代である。とりわけ日本は、ブロードバンド・インフラの普及率で世界のトップ・レベルにある。
こうなると、通信事業者にとっては、もはや“速い・安い”だけでユーザーを獲得するのは難しい。言いかえれば、彼らには魅力的な付加価値を提供することが求められているのだ。高品質の音声通信、IP-TV、ハイビジョン動画配信、動画共有サイト、音楽配信、オンライン・ゲームなどは、その一例である。実際、すでに一部の通信事業者は、こうしたブロードバンド・サービスの提供に乗り出している。
一方、一般消費者の側でも、昨年後半ごろから、ネットブックと呼ばれる個人向け低価格ノートPCや、「iPhone」などのマルチメディア・デバイスが急速に普及し、音声や動画を手軽に視聴できる環境が整ってきた。今では、YouTubeやニコニコ動画などのように、動画データを簡単に発信できる場も用意されている。リッチ・コンテンツの需要と供給が互いに刺激し合い、マルチメディアへのニーズが今後も増していくことは想像に難くない。
こうしたリッチ・コンテンツが牽引役となり、インターネット・トラフィックは右肩上がりで増え続けている。このままいけば、そう遠くない時期にインターネット加入世帯当たりの使用帯域が数十Mbpsに達する、との試算もある。
図1は、国内サービス・プロバイダー(IIJ)のコア・ネットワークにおけるキャパシティ増強の推移(2000〜2007年)、また、図2は2013年までのブロードバンド・サービス加入者数の予測を示している。大手サービス・プロバイダーで広く利用されている10Gbpsインタフェース(10GE)のままでは、いずれトラフィックを処理しきれなくなるのは、だれの目にも明らかだろう。
高速なWANサービスを構築する伝送方式としては、従来は「SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)」技術が使用されてきた。SONET/SDHは、連続する固定バイト長のフレームにペイロードを載せて伝送する方式である。これに対してEthernetは、ペイロードの大きさに応じてフレーム長を変える──可変長フレームによる伝送方式である。
もともとEthernetは、LANでの使用を前提に開発されたものであり、高い信頼性が求められる広域ネットワーク・サービスには不向きと考えられていた。しかし、「Ethernet OAM(Operations、Administration、Maintenance)」と呼ばれるEthernet網の運用・保守・管理機能が実装されたことで、Ethernetサービスの信頼性や管理性は飛躍的に向上した。しかも、SONET/SDHより安価であることから、Ethernetは広域サービスにおいても主流になってきている。
こうしてEthernetは、WANサービスを支える伝送方法としての地位を確立した。そして今、ニーズ面でも技術面でも機が熟し、次世代高速化Ethernetの登場が待たれているのである。
次世代高速化Ethernetは現在、仕様の標準化が進められているが、これには40Gbps(40GE)と100Gbps(100GE)の2つの伝送速度が存在する。また、次世代高速化Ethernetの利用が想定されるアプリケーションとしては、次のようなものがある。
- ●データ・ウェアハウスのストレージ用インタフェース
- ●仮想サーバのインタフェース
- ●大規模データセンターのアグリゲーション・スイッチ
- ●サービス・プロバイダーのコア・ルータ接続用インタフェース
- ●サービス・プロバイダー間を接続するIX用スイッチ
詳細は後述するが、40GEが用意されているのは、データセンターにおけるサーバ接続などの用途では100GEはオーバースペックだと見られているからである。つまり、40GEは、サーバやストレージのインタフェース用途として期待されているわけだ。なお、40GEはチップ・ベンダーからも支持されているが、これは比較的安価に製品化できるためだと考えられる。
一方の100GEは、サービス・プロバイダーのコア接続部やアクセス網のアグリゲーション部分など、より高い性能が求められる領域での利用が想定されている。



























