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【解説】

ビジネス・シーンでのモバイルWiMAX活用事例

キオスクやNEWDAYSを擁する「JR東日本リテールネット」
(2010年06月11日)

 広帯域ワイヤレスで高速常時接続が可能なモバイルWiMAX――。その強みをビジネスに活用しているのが、コンビニエンス・ストア「NEWDAYS」やキオスクを運営するJR東日本リテールネットだ。同社では従来の通信システムからモバイルWiMAXに切り替えることで、大幅なコスト削減と迅速な情報の一元管理を実現させた。ここではその活用事例とともに、モバイルWiMAXを利用する優位性について紹介したい。

ISDNの限界――データを溜めてからの
送信では最新の情報を共有できない

 コンビニエンス・ストアに代表される小売チェーンでは、店舗のPOSレジと本部データセンターとの間でデータが常にやり取りされている。店舗から本部に送られるのは、POSレジに記録された売上げなどの情報だ。本部のデータセンターでは、これらを基に売上げ数量と金額を店舗別・商品別に集計・分析する。在庫数量や売上げ予測の結果は、店舗にフィードバックされ、店舗マネジャーが在庫の補充や新商品の発注をする際の基礎情報として利用される。

 コンビニエンス・ストア「NEWDAYS」や「キオスク」を運営する株式会社JR東日本リテールネット(設立:1987年6月、本社:東京都新宿区)が従来採用していたのは、店舗側に置いたストア・コントローラー(実体は分散サーバ)にPOSレジからの情報をいったん集め、本部のデータセンターにISDN回線経由で送信する方式だった。データをある程度溜めてからまとめて送信するバッチ方式を採用していたことから、最新の売上げ状況を本部がリアルタイムで把握できないという悩みがあったという。

 このような課題を解決するべく、同社は2009年8月に「RICSS店舗システム」という新システムを投入した。新型POSレジへの交換、ストア・コントローラーの廃止、ISDN回線からモバイルWiMAXへの切り替えを行うことにより、売上げ情報をほぼリアルタイムで取得可能な仕組みを完成させたのである。

常時接続高速回線としてコスト面でも
大きなアドバンテージを持つ

 「モバイルWiMAX導入の一番のねらいは、ハードウェア・コストの抑制だった」。


▲JR東日本リテールネットで取締役・経営企画部長を務める山本信也氏

 JR東日本リテールネットで取締役・経営企画部長を務める山本信也氏は、通信回線にモバイルWiMAXを選んだ理由をこう語る。ストア・コントローラーを廃止すれば、店舗側のハードウェア・コストを削減できる。また、ストア・コントローラーに情報を蓄積せず、リアルタイムに本部のデータセンターに送信することで、本部は最新の状況を素早く把握できるというメリットも得られる。

 山本氏は、「データの送信方法をバッチ方式から随時方式に変更した場合、ネットワークにはそれだけ負担がかかることになる。過去のデータを基にいろいろと調べてみた結果、上りで2Mbpsから3Mbpsの通信速度が必要であることが判明した。ISDN回線(INSネット64)では最高でも128kbpsの通信速度しか得られないため、ブロードバンド(一般には1Mbps超の帯域幅)回線への切り替えは必須だった」と、その必要性を語る。

 当初、採用の候補となったのは、一般の固定電話回線を使うADSLと無線を使うモバイルWiMAXの2種類だったという。通信速度がどちらもほぼ同じ(数10Mbps)であったことから、JR東日本リテールネットはインフラ構築などのコスト面で優れるモバイルWiMAXを優先候補として選択した。一方、ADSLはモバイルWiMAXが利用できない場合の代替策に位置付けた。

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