CW_Welcomeバナー

M&A/組織改編

RSS

レノボ、富士通シーメンスなどと買収交渉か――PC業界再編の動き?

ブラジルのPCベンダーとの買収交渉も報じられる
(2008年12月12日)

 中国のLenovoが、複数のPCメーカーと買収や出資に関する交渉を進めている模様だ。PC市場の低迷という現状を利用して、世界的に存在感を高める狙いがあると見られる。

 Lenovo会長の楊元慶(Yang Yuanqing)氏は、12月10日に米国IBMのWebサイトに掲載された声明文(PDFファイル)において、複数の企業と交渉を行い、買収や出資の可能性を探っていることを明らかにした。


Lenovo会長の楊元慶(Yang Yuanqing)氏

 楊氏は交渉相手企業の名前を明らかにせず、合意に至る保証もないとしており、同社の広報担当者もこれ以上のコメントを拒否した。

 しかし、複数の米国メディアが12月11日に報じたところによると、Lenovoが交渉を行っている企業の1つは富士通であり、交渉が成立した場合、オランダのFujitsu Siemens Computers(FSC)がヨーロッパで展開しているコンシューマー向けPC事業がLenovoに売却されるという。FSCは富士通とドイツSiemensの合弁会社として設立されたが、2009年4月に富士通が全株式を取得し100%子会社化する予定となっている。

 富士通はLenovoとの交渉について何もコメントしていないが、同社のCFO(最高財務責任者)である加藤和彦氏は11日、IDG News Serviceが行った取材に対し、「低価格のPC製品ライン」市場からの撤退を検討していると答えた。加藤氏は、「現在の経済情勢やヨーロッパIT市場の継続的な縮小」を理由として、ドイツのFSCにおいて12%前後の人員削減を実施する方針を明らかにし、低価格PC市場からの撤退検討はそれを目的とするものであると述べた。

 また、加藤氏は、同社内ではPC製品ラインの再編についてさまざまなシナリオが検討されているが、PC事業から完全に撤退する意思はないと付け加えた。

 米国の調査会社IDCのリサーチ・マネジャー、リチャード・シム(Richard Shim)氏は、「FSCの買収が実現した場合、Lenovoは西ヨーロッパの巨大な市場へ迅速に参入できることになる」と指摘した。

 FSCは、世界のPCベンダーにおいて上位5社の一角を占める企業だ。一方のLenovoは、これまでにもヨーロッパ市場への参入を試みてきたものの、良い成果は得られていない。Lenovoは2007年にも、ヨーロッパのPCベンダーであるPackard Bellを買収しようとしたが、最終的には台湾のAcerが買収している。

 また、ブラジルのメディアによれば、LenovoはブラジルのPCベンダーであるPositivo Informaticaの買収を巡り、Dellとも競り合っているという。Positivo Informaticaは、ブラジルのトップPCベンダーの1つであり、2008年第3四半期の出荷台数ベースの市場シェアは13.2%だった。

 Positivoの広報担当者はこの件についてコメントを避けているが、同社は、株主にとって利益となるような提案であれば検討するとの声明を出している。LenovoとDellの広報担当者は、「憶測」に対してはコメントできないとしている。

 世界のPC出荷台数は、景気低迷によって落ち込んでおり、複数のアナリストが、今後の業界再編は避けられないとの見通しを示している(関連記事)。

 IDCのシム氏は、2009年の世界市場におけるPC出荷台数の伸びは3.8%にとどまるとの見通しを示し、13.7%というこれまでの予測を大幅に下方修正した。また同氏によると、PCの出荷が上向き始めるのは、2009年末から2010年になるという。

(Agam Shah/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)

記事詳細テキストバナー

ページの先頭へ戻る