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【解説】【オラクルのサン買収】

MySQLの「存続」へ前進――サンが次期プレビュー版を公開

MySQL“生みの親”も支援を表明
(2009年04月22日)

米国Sun Microsystemsは、Oracleとの買収合意を発表した翌日の4月21日、オープンソース・データベース「MySQL」の次期バージョン(MySQL 5.4)に搭載される新機能を明らかにした。OracleがSunを買収したことで、MySQLの将来を危ぶむ声も一部には聞かれるが、今回の次期版発表で、MySQL存続の可能性が高まったことは確かなようだ。



Chris Kanaracus
IDG News Serviceボストン支局

パフォーマンスが劇的に向上

 MySQL 5.4の主眼はパフォーマンスとスケーラビリティの向上に置かれている。MySQLで一般的に使われているトランザクショナル・エンジン「InnoDB」(Oracleが所有)は、新版では以前の倍となる8CPUまで対応できるようになった。

 MySQLのプロダクト・マネジメントを率いるロビン・シューマッハー(Robin Schumacher)氏は、OracleのSun買収発表に先んじたインタビューで、「Sunのテスト担当者らは、4コアから8コアへの移行という“非常に劇的な”パフォーマンス向上を確認した」と語っている。

 MySQL 5.4における改善点には、サブクエリの最適化による分析クエリの高速化、ストアド・プロシージャ・サポートの強化なども含まれている。「改善点は“透明”であるため、それらを利用するうえでユーザー側が追加でコーディングを行う必要はない」と、シューマッハー氏は述べている。

 ただし、21日にダウンロード可能となったMySQL 5.4のプレビュー版で提供されるのはCPUスケーラビリティの向上のみで、対応OSも64ビットLinuxおよびSolarisに限定されている。MySQL 5.4の一般向けリリースは今年末までに行われるという。

 Sunは同日、MySQL用クラスタリング・ソフトウェアの新バージョンとなる「MySQL Cluster 7.0」の発表も行った。その改善点の1つは、クラスタへのノード追加が稼働中でも行えることだ。そのほか、スループットの高速化やファイル・アクセスの高速化なども盛り込まれており、一般向けリリースは今四半期中とされている。

“生みの親”ウィデニウス氏は開発メンバーの分散を懸念

 一般に、Oracle DatabaseとMySQLは直接競合はしないというのが大方の見方だ。しかし、OracleがSunの買収を決めたことで、MySQLの将来的な方向性が不透明になったことは否めない。


マイケル・“モンティ”・ウィデニウス氏(同氏のブログより)

 Sunの広報担当者は21日、「Oracleとの買収契約は締結するが、業務は通常どおり進める」として、MySQLに関するコメントを避けた。

 また、Oracleによる買収が明らかになる前のことではあるが、SunのMySQL担当ソフトウェア・インフラストラクチャ・グループ副社長、カレン・ティーガン・パディー(Karen Tegan Padir)氏も、オープンソース・プロジェクトとして成功しているMySQLは今後も生き延びる、と先週行われたインタビューで語っている。「コードの開発や作成にこれほど多くの人々がかかわっていれば、会社を超越する」(パディー氏)

 実際、MySQLのコード・ベースから、これまで数多くのプロジェクトがブランチとして生み出されている。例えば、「Drizzle」や、MySQLの生みの親であるマイケル・“モンティ”・ウィデニウス(Michael "Monty" Widenius)氏が支援する「MariaDB」などがその例だ。

 そのウィデニウス氏は21日、OracleとMySQLについて、自身のブログにこう書いている。

 「Oracleは、直接手を下して、あるいは開発/サポートに力を入れないことによって、MySQLを“抹殺”することができる。反トラスト問題を避けるため、売却することも可能だ。だが、その一方で、同社の技術的専門性をMySQLに注ぎ、MySQLが最もポピュラーで先進的なオープンソース・データベースであり続けるよう支援することもできる」

 さらに同氏は、今年初めにSunを辞めた自身の経験を踏まえ(関連記事)、多くのMySQL開発メンバーが買収後にSunを去る可能性があると指摘する。

 「MySQLへの脅威はOracleそのものではない。むしろ、SunでMySQLにかかわった人材が多くの企業に散らばってしまい、その結果MySQLの開発とサポートが何年も後退してしまうことのほうが心配だ」(ウィデニウス氏)

 こうした懸念から、MySQLの中核メンバー全員を雇用し、同氏の会社(Monty Program)内か、その近くに適当な住居を見つける準備ができている、と同氏は記している。「オープンな方法で開発を継続するため、OracleもしくはMySQLの将来の買収先と緊密に協力していきたい」

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