ヴイエムウェア、インメモリDBのジェムストーンを買収へ
DBのスケールアウトを容易にし、クラウド環境のボトルネック解消を目指す米国VMwareのSpringSource部門は5月6日、VMwareがデータベース・キャッシング・ソフトウェア・ベンダーの米国GemStone Systemsを買収し、同社製品をSpringSource部門が取り扱うことを発表した。買収条件は公表されていない。
この買収により、VMwareはクラウド・コンピューティングにおいて大きな課題の1つとなっている、データベースのスケーリングを実現するための技術やノウハウを手に入れることになる。
VMware SpringSource部門のゼネラル・マネジャー、ロッド・ジョンソン(Rod Johnson)氏は、「GemStoneはきわめて重要な問題を解決してくれる。スケールアウトやクラウドへの移行が必要なアプリケーションを構築する場合、アーキテクチャに大きな変更を加えることなく、アプリケーションを拡張するための手段が必要となる。GemStoneの技術により、それが実現することが実証されている」と述べた。
GemStoneの主力製品は、分散プラットフォーム対応のインメモリ・キャッシング・データベース(インメモリDB)、「GemFire Enterprise」である。インメモリDBは、データベース全体をワーキング・メモリ上に保持することで処理速度低下の主要因であるディスク読み書きを抑制し、高速なデータベース処理を可能にする。
GemStoneの社長、リチャード・ラム(Richard Lamb)氏は、「GemFireの基本的な仕組みは、実データをミドルウェア・レイヤにロードして、本物のデータ・ストアのようにJavaアプリケーションとリアルタイムにデータをやり取りするというものだ。(処理が終わった)データは、最終的にはリレーショナル・ストアや、何らかの非同期的なレコードに戻される」と説明する。「そのため、我々のソフトウェアを導入すれば、(アプリケーションの)パフォーマンスは即座に、しかも格段に向上する」(ラム氏)。
GemStoneの技術は、金融業界の商用グリッド・コンピューティング・システムなどですでに利用されている。また、米国国防総省の分散型指揮管理システムにも同社の技術が採用されているという。ラム氏によると、現在のGenStoneの顧客はおよそ200社だ。
インメモリDBはさまざまなベンダーが提供しており、例えばOracleの「TimesTen In-Memory Database」などもその1つだ。ただしラム氏によると、GemStoneの製品は、SMP(対象型マルチプロセッシング)ではなく分散型アーキテクチャで動作するという強みがあるという。分散型アーキテクチャによって、地理的に離れたデータセンター間でアプリケーションを分散処理させることもできるという。
こうした技術はVMwareにとって、成長を続けるクラウド・コンピューティング市場で戦ううえでの有効な武器になりそうだ。
VMwareは昨年、SpringSourceを3億6,200万ドルで買収した。それ以降、Javaフレームワークの「Spring」や、Apache Tomcatアプリケーション・サーバ互換の「tc Server」といったSpringSourceの製品群は、Javaベース・クラウド・ツールとしてVMwareに付加価値を与える重要な役割を果たしている。
さらに、VMwareが先月買収したRabbit Technologiesのメッセージング・プラットフォーム製品「RabbitMQ」は、SpringSourceのJavaプラットフォームに統合されることになっている。また、VMwareがSalesforce.comと共同発表したJavaアプリケーション向けPaaS(Platform as a Service)の「VMforce」でも、プラットフォームにSpringフレームワークが組み込まれている。
GemStoneの技術は、クラウド・コンピューティング環境において最悪のボトルネックの1つとして広く認識されている、リレーショナル・データベースの問題に対処するアプローチの1つだ。
「例えば、クラウドを構成する膨大な数のサーバが同一のデータベースに、しかも非常に高い頻度でアクセスし、なおかつ各サーバがデータベースとデータ状態を同期しようとするような状況だと、応答が大幅に遅くなる。GemStoneの製品は、そうしたデータベースの呼び出しを大幅に削減してくれる」(ジョンソン氏)
その一方で、クラウドにおけるリレーショナル・データベースの問題を軽減するために、VMwareは非リレーショナル・データベース(“NoSQL”と呼ばれる)を利用する可能性も探っているようだ。
VMwareは3月、オープンソースのインメモリ非リレーショナル・データベース「Redis」の開発中心人物だったサルバトーレ・サンフィリッポ(Salvatore Sanfilippo)氏を雇用している。
GemStoneは非上場企業で、従業員数は約100名。組織はSpringSourceに統合されるが、ジョンソン氏によれば「GemStone」というブランド名は残る可能性がある。SpringSourceは、GemStoneの既存顧客や主力のGemFire、そのほかの製品のサポートを継続する考えを表明している。
(Joab Jackson/IDG News Serviceニューヨーク支局)



























