積極買収を進めるグーグルとヴイエムウェア
今年これまでにグーグルは23件、ヴイエムウェアは7件今年は、米国HPが102億ドルもの巨額を投じて進めている英国Autonomy買収や、米国Microsoftが85億ドルもつぎ込んだルクセンブルグSkype買収が大きな注目を浴びてきたが、米国EMCとその子会社のVMwareや米国Googleも、2011年を通じて数十社のソフトウェア会社を次々に傘下に収めている。
Googleは、年初からこれまでに23件の買収を発表。今年は残すところ数週間だが、同社にとって過去最多の25件の買収を完了した2010年に並ぶ買収実績に達するかもしれない。
Googleによる買収のほとんどは買収額が公表されていないが、125億ドルを投じる米国Motorola Mobility買収(今年末か来年初めに完了する見通し)は、同社によるこれまでの買収の中でダントツの最大案件だ。投資銀行の米国Berkery Noyesのデータによると、Motorola Mobility買収は、IT業界で今年発表された中で最大クラスの案件でもある。Googleにとって過去2番目に高額の案件は、2007年の31億ドルによる米国DoubleClick買収で、3番目は2006年の16.5億ドルでの米国YouTube買収だ。
Googleは今年、ソーシャル検索/価格比較サイトの買収に力を入れた。こうした買収先にはレストラン・レビュー・サイトの米国Zagat(1億5,100万ドル)、クーポン・サイトのドイツDailyDeal(1億1,400万ドル)、英国BeatThatQuote.com(3,770万ポンド)などがある。
EMCも今年、主に子会社のVMwareを通じて活発に買収を進めたが、買収の詳細は明らかにしていない。EMCは、VMwareによるものなど買収8件と、資産の移転1件を今年発表している。Berkery Noyesのマネージング・ディレクター、メアリー・ジョー・ザンディ(Mary Jo Zandy)氏によると、そのほかにも、発表されていないものの、1件の資産買収が行われたと見られるという。興味深いことに、VMwareを通じて行われた買収は、いずれも買収額が公表されていない。
今年発表されたVMwareの買収先は7社で、内訳は以下。
・データベースおよび仮想マシン・アクティビティ・モニタリング・ツールのメーカーである米国PacketMotion
・ITコスト管理を支援するソフトウェアのメーカーである米国Digital Fuel Technologies
・コラボレーション・ツールのメーカーである米国Socialcast
・パッチ管理ソフトウェア・ベンダーである米国Shavlik Technologies
・クラウド型ビジネス・プレゼンテーション・ソフトウェアのメーカーである米国SlideRocket
・グラフィカルJava開発ツールのメーカーである米国WaveMaker Software
・SSL VPN構築ソフトウェアのメーカーである米国NeoAccel
また、EMCのオンライン・バックアップ・サービス「Mozy」がVMwareに譲渡されたことも4月に発表された。
さらに、EMCは、ネットワーク・セキュリティ分析ソリューション・ベンダーの米国NetWitnessを買収した。また、米国Asankyaと水面下で重要な取り引きを行った。「EMCは、Asankyaの一部資産をひそかに買い取った。Asankyaは、クラウド・ストレージ・ソリューションに応用可能なアプリケーション・アクセラレーション・サービスおよびソリューションの開発会社だ」とザンディ氏は説明する。取引内容は発表されていないが、広報担当者は最終的に、取り引きの実施を認めた。
これらを合計すると、EMCは今年、10件の買収関連取引を行ったことになる。これはGoogleに次ぐ数字だ。
一方、年初からこれまでに発表されたソフトウェア会社を対象とする買収の最大案件は、HPによるAutonomyの買収だ(HPは10月初めにAutonomyの経営権獲得を発表し、引き続き買収手続きを進めている)。だが、業界相場から見て、102億ドルという買収額は不可解だ。Berkery Noyesは、HPはAutonomyの売上高の10.8倍、EBITDA(金利・税金・償却前利益)の24.5倍を投じていると報告している。だが、第3四半期に発表されたソフトウェア会社の買収では、買収額は業界平均で売上高の2.3倍、EBITDAの13.6倍となっている。
ザンディ氏は、Autonomyのようにe-Discovery(電子情報開示)市場を手がける企業は、買収ターゲットとして注目されており、Autonomyは英国の最大手だが、HPはほかの資産に目をつけているのかもしれないと指摘する。「Autonomyはe-Discovery専業ではない。買収を重ねて成長してきた企業だ」
もっとも、HPがAutonomy買収を決めたときにCEOを務めていたレオ・アポテカー(Leo Apotheker)氏は、9月に更迭され、メグ・ホイットマン(Meg Whitman)氏が後任に就いた。Autonomyの資産を活用し、HPの収益に貢献させるのは、ホイットマン氏の仕事だ。
今年これまでに発表されたソフトウェア会社を対象とする買収で2番目に買収額が多かったのは、Microsoftによる85億ドルでのSkype買収だ。Microsoftは10月に買収完了を発表している。
Berkery Noyesは、2011年第1~3四半期に発表されたソフトウェア会社を対象とする買収に関するレポート(テーマ上、GoogleによるMotorola Mobility買収や、ZagatのようなWebサイトの買収は含まれていない)で、第1~3四半期に発表されたソフトウェア会社の買収は総額635億ドルに達しており、このうち上位10件が合計約301億ドルで、49%を占めると報告している。
「この買収総額は、2011年はかなり活発に買収が行われてきたことを示している」とザンディ氏は語る。買収対象の多くはクラウド関連の新興企業だという。「クラウド・コンピューティングを手がける企業は引く手あまただ」(同氏)
(Julie Bort/Network World米国版)



























