グーグル、YouTube用の違法コピー防止システムのテスト版を公開
「アップロードの阻止ではなくアップロード後に措置を講じるためのもの」米国グーグルは10月15日、同社の動画共有サイト「YouTube」用の違法コピー防止システム「Video Identification」のテスト版を発表した。グーグルは昨年11月にユーチューブを買収したときから、こうしたシステムの開発について言及していた。
YouTubeでは、ユーザーが自由に動画クリップをアップロードして共有できるため、ユーザーの人気は高いが、一方では、著作権侵害を巡る論争も盛んである。すでに一部の著作権保有者から著作権侵害の訴訟も起こされている。
なかでも注目を集めているのは、大手メディア・コングロマリットの米国バイアコムによる訴訟だ。バイアコムは今年3月、自社のテレビ番組や映画の動画クリップを無断でYouTubeにアップロードされたとして、グーグルを相手取り、10億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしている。バイアコムによると、3月の時点で、同社が所有するおよそ16万本の動画クリップが許可なくYouTubeにアップロードされ、その閲覧回数は15億回を超えているという。
Video Identificationについては今年7月、バイアコムによる訴訟を担当するグーグル側の弁護士が審問の席上で「9月までに用意する」と語っていた。
グーグルはこの違法コピー防止システムについて、かねてから「動画のアップロードを阻止するものではなく、YouTubeにコンテンツがアップロードされた後に必要に応じて措置を講じるためのもの」と説明している。
具体的には、グーグルはアップロードされた動画クリップと著作権所有者が事前に提供した正規の動画クリップのリポジトリとをデジタル指紋技術を使って照合し、著作権所有者の要請に応じて、クリップを削除するなり、そのままYouTubeに残すなりの措置を講じることになる。
グーグルは以前から、著作権所有者の要請に応じて違法コンテンツを削除しているかぎり、デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)に違反していないとの立場をとってきた。今回のVideo Identificationのテスト版の発表に際しても、その姿勢に変わりはない。
ユーチューブの製品マネジャー、デビッド・キング氏は、ブログのなかで「Video Identificationで可能になるのは、法律の順守だけではない。著作権所有者はコンテンツの削除を要請するだけでなく、逆に閲覧を推進したり、あるいはコンテンツをライセンスして利益につなげることもできる」と説明している。
一方、バイアコムの広報担当者は、Video Identificationに関するコメントとして、「訴訟は今も続いている。当社がこれまでに損害を被ったのは確かであり、それも訴訟の争点の1つだ。Video Identificationが今後、この訴訟にどのような影響を及ぼすかを判断するのは時期尚早だ」と語った。
実際問題としては、Video Identificationの成否は、著作権所有者がどれだけグーグルに協力的かにかかっている。つまり、著作権所有者が自社のテレビ番組や映画などのコンテンツをグーグルのリポジトリに提供するかどうかで、このシステムの効果は大いに違ってくるだろう。
(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)



























