EUの反トラスト機関、サムスンが対アップル裁判で利用している特許を調査
欧州委員会がサムスンの特許ライセンス条項に関する予備調査に着手欧州連合(EU)の反トラスト最上位機関が、韓国Samsung Electronicsが米国Apple製品の販売を阻止する根拠としている特許の調査を開始した。
Samsungと法廷闘争を繰り広げているAppleにとって、これは吉報になるかもしれない。
Samsungは、欧州の5か国において同社の3Gモバイル技術特許が侵害されたと主張し、Appleを提訴した。欧州委員会(EC)はこれに対し、Samsungが本件で「FRAND(fair, reasonable and non-discriminatory:公平かつ妥当かつ無差別的な)」ライセンシング原則を乱用している可能性を検討し始めた。
企業はFRANDライセンスの下、情報および技術の共有を通して、3Gモバイル・ネットワークといったシステムのオープン・スタンダードを開発できるようになっている。一般的に規格策定団体は、任意の規格開発に関与した企業に対し、同規格に不可欠な技術を持っている場合はFRAND条件に基づきあらゆる関連特許のライセンシングに合意するよう求めている。
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)3Gモバイル・ネットワーク規格を保持する3G Partnership Project(3GPP)はまさにその好例である。こうした措置は、産業界の潤滑な連携を促し、消費者に多様な選択肢を提供することを目的として取られている。SamsungとAppleはいずれも3GPPのメンバーだ。
AppleがSamsungによる自社製品の模倣を訴えたことの報復として、SamsungはAppleに法的な反撃を試みた。Appleは先日カリフォルニアの裁判所に提出した文書の中で、「Samsungの模倣をわれわれに容認させようとする同社の圧力行為は、反訴にとどまらない。Samsungは、同社いわくAppleがSamsungの特許権を行使しているのをやめさせるため、きわめて攻撃的なキャンペーンを世界各地で展開している」と述べた。
これを受けたSamsungは11月4日、「われわれは、自社の有するワイヤレス標準関連特許について、FRANDライセンシング条件を常に順守してきた。ECから情報提供を要請されたが、これにも全面的に協力している。今回の調査は予備的なものである点、ECはまだ本格的な調査の実施を決定していない点に注意してほしい」と返答している。
ECは予備調査において、関係機関に情報提供を呼びかける。こうした情報開示要求は、ECが案件にかかわる事実を収集するのに必要な、反トラスト調査における通常の手続きだ。EUの競争規則が破られたことを示す十分な証拠が見つかった場合は、さらに広範な調査が続けられる。
ECが反トラスト行為に関して、Samsungが「有罪」であると認めたときは、欧州でのAppleに対する訴訟を取り下げるようSamsungに強制する可能性が出てくる。これが他国での裁判に影響を及ぼすことも十分考えられるだろう。ECには懲罰金を課す権限も与えられている。
(Jennifer Baker/IDG News Serviceブリュッセル支局)



























