大幅な進化を遂げたデルの第11世代サーバ「PowerEdge」の実力を知る
全モデルで仮想化、グリーンに対応、デザインや管理ツールも刷新インテルが3月に発表した新たなサーバ向けCPU「インテル Xeonプロセッサ 5500番台」を受けて登場したのが、デルの新しい「PowerEdge」である。第11世代目にあたるこの新型サーバは、同プロセッサのアーキテクチャ変更に合わせて大幅に改良され、マザーボードから筐体に至るまで、すべてが一新されている。
第11世代PowerEdge全モデルが
仮想化とグリーンITに対応
デルは2009年4月1日、サーバ製品「PowerEdge」の新ラインアップを発表した。新製品群は同社にとって第11世代のサーバ製品となるが、従来の世代交代に比べて大幅に進化したという。
同社でサーバ ブランド マネージャを務める布谷恒和氏も、「フル・モデルチェンジと言っても過言ではないほど、数多くの改良点がある」と語る。同氏によれば、特に、「仮想化への対応強化」「電力と熱効率の改善」「革新的なデザイン」「管理のシンプル化」という4点を重視して製品開発が進められたとのことだ。
また、PowerEdgeには、デファクト・スタンダードのテクノロジーを利用するというコンセプトがある。このコンセプトは従来どおりだが、第11世代のPowerEdgeでは、製品化に際してそれをさらに徹底するという今後の製品開発方針を示す戦略が見て取れる。
第10世代のPowerEdgeでは、4ソケット・サーバの「PowerEdge R900」を仮想化モデルとして位置づけていたほか、いくつかのサーバ製品に「Energy Smart」と呼ぶ省電力構成モデルを用意していた。だが、「第11世代では、これらの新たなトレンドに個別の製品で対応するのではなく、すべてのモデルで仮想化とグリーンITに対応するというアプローチを取った」(布谷氏)という。
アーキテクチャを
一新したXeon 5500番台
第11世代PowerEdge登場の契機となったのが、インテルが3月に発表したXeonプロセッサ 5500番台(開発コード名:Nehalem-EP)である。PowerEdge 11Gの新機能は、この新CPUを抜きにしては語れない。
Xeonプロセッサ 5500番台は、新しいマイクロ・アーキテクチャを採用し、インテルが「Pentium Proプロセッサから15年ぶりの大きなプロセッサの革新」と言うほど、その中身が大きく変わっている。インテルの営業本部 市場開発マネージャーの矢嶋哲郎氏も「第11世代のPowerEdgeと同様に、Xeonプロセッサ 5500番台もフル・モデルチェンジというべき進化を遂げた」と語る。
特に大きく変更されたのが、メモリ・アクセスの方式である。従来はCPUとメモリの間をFSB(Front Side Bus)で接続していたが、Xeonプロセッサ 5500番台搭載プラットフォームでは、「インテルQuickPathテクノロジー」という新方式を採用している。これは、CPUに3チャネルのメモリ・コントローラを統合し、プロセッサ間やプロセッサとI/Oコントローラ間を高速接続するもので、リンクあたりの帯域幅が毎秒25.6GBとすぐれたパフォーマンスを提供する。そして、メモリには、DDR3 SDRAMを採用している。
このほか、CPUを高速化する技術として搭載されたのが「インテル・ターボ・ブースト・テクノロジー」だ。これは、定格周波数以上のスピードでCPUコアを動作させる技術である。一定条件を満たしたときに全コアを定格以上の周波数で動作させ、処理性能を向上させる。
かつてPentium 4プロセッサが備えていた「インテル・ハイパースレッディング・テクノロジー」が復活した点も見逃せない。この技術は、マルチスレッド・アプリケーションのスループットと応答性を高めるものだが、多くのビジネス・アプリケーションにおいてマルチスレッド化が進んでいる現在、その利点は多いと言えよう。
サーバ仮想化を
強力にサポート
第11世代PowerEdgeの仮想化への対応強化という点でも、Xeonプロセッサ 5500番台が重要な役割を担っている。その1つが、同CPUに実装された「インテル VT FlexMigration」である。この技術は、仮想マシンのライブ・マイグレーションを実現するもので、第11世代のPowerEdge間はもちろん、Xeonプロセッサ 5400番台などを搭載した既存サーバとの間でも仮想マシンを自由に移動させることを可能とする。
このほか、第11世代PowerEdgeにおける仮想化への対応強化については、仮想環境が適切に動作するための要となるメモリの搭載容量が大幅に向上したことも挙げられる。例えば、ミッドレンジ・クラスの2ソケット・サーバ「PowerEdge R710」の場合、旧世代の「PowerEdge 2950」ではメモリの搭載容量が最大64GBだったのに対し、最大144GB(18のメモリ・スロットすべてに8GBのDDR3 SDRAMを搭載した場合)へと大きく拡充した。
また仮想化環境で多く必要となるギガビットNICポートに関しても、R710、R610、M710の3機種では、オンボードで4ポートを標準搭載している。
さらに、USBポートとSDカード・スロットを本体内部に用意した点も、仮想化を考慮した機能強化だと言える。これらは従来、仮想化モデルと銘打った製品のみに用意されていたものだが、PowerEdge 11Gからは基本的にすべての2ソケット・サーバでUSBメモリまたはSDカードからハイパーバイザをブートすることが可能になった。
電力と熱効率の改善で
グリーンITを推進
電力と熱効率の改善、すなわちグリーンITへの対応についても大きく進化した。もちろん、Xeonプロセッサ 5500番台の省電力機能も一役買っている。例えば、Xeonプロセッサ 5500番台の「インテル・インテリジェント・パワー・テクノロジー」という省電力化機能である。この機能は、アイドル状態のコアの電圧をコントロールして消費電力をほぼゼロにまで低減することなどを可能とするものだ。
「グリーンITについては、Xeonプロセッサ 5500番台が持つ機能はもちろん、このCPUでメモリがDDR3になったことに重要な意味がある。DDR3の採用でメモリが省電力化し、サーバ全体の消費電力を下げることができたわけだ」(布谷氏)
CPU以外の省電力化策としては、新しいパワー・サプライ(電源)の採用が挙げられる。このパワー・サプライは、最大90%以上のAC/DC電力変換効率を実現するという。また、サーバの要件に合わせて電源容量を選択することも可能で、例えばPowerEdge R710では570Wもしくは870Wから選ぶことができる。
このような省電力化と性能向上は、企業のTCO削減に劇的な効果をもたらす。矢嶋氏によると、2005年に発売されたシングルコアのXeonを搭載したサーバを、同一性能のXeonプロセッサ 5500番台のサーバに移行した場合、必要なサーバ台数は9分の1になり、年間の消費電力量は90%も削減できるという。「古いサーバを使い続けた場合のエネルギー・コストを考えると、わずか8カ月で投資コストを回収できる」(矢嶋氏)
デザインや運用管理も
大幅に見直す
デザインについても、管理性の向上という明確な目的の下に見直された。例えば、ベゼル前面に、サーバを監視するマルチ・レイヤLCD画面が追加された。これは、ブレード・サーバのシャーシに搭載されている画面を応用したものだ。IPアドレスやデルのサービスタグナンバー、消費電力などのサーバ稼働状況、そして障害時のエラーメッセージなど、サーバのLCDから直接多くの情報を参照することが可能になった。
また、ラックへの取り付け、取り外しを容易にするためのラッチの改良や、ラック背面のエアフローを確保しながらケーブルのたわみを防止するスチール製アームの採用など、数多くの部分で細かい配慮がなされている。フロントベゼルを含んだ外観もメタルを使用し、よりシャープな印象に変わった。
運用管理のシンプル化という面では、業界で初めて、サーバ・セットアップに必要なモジュールと管理ツールをマザーボード上のライザーカードに組み込んだことで、インストールDVDを用意することなくサーバ・セットアップが行えるようになっている。このライザーカードは、ライフサイクル・コントローラと呼ばれ、第11世代PowerEdgeに標準搭載されている。
管理ツールについては、新しい管理統合コンソール「Dell Management Console」が加わった。このツールは、デル以外の製品にも対応しており、1コンソールで異種混在のサーバ環境の運用管理を可能とするものだ。
なお、布谷氏によると、2009年4月1日に発売した2ソケット・サーバ(ラック・サーバ、ブレード・サーバ、タワー・サーバ)が第11世代PowerEdgeの第一弾製品となり、今後1年間で順次ラインアップを増やしていくという。
問い合わせ先

- デル株式会社
〒212-8589
神奈川県川崎市幸区堀川町580番地 ソリッドスクエア東館20F
TEL:044-542-4047
URL:http://www.jp.dell.com/11G/
CIO Online Special
コスト削減と競争力向上――CIOのミッションに応える
デルの新世代サーバ「PowerEdge 11G」
新世代インテルXeonプロセッサを搭載し、シリーズ全機種でサーバ仮想化やグリーンITを追求
世界経済が景気後退局面に突入したことで、企業にとっては厳しいビジネス環境が続いている。IT予算も絞られる傾向にある現況にあっては、CIOには、コストの削減と同時に競争力の強化を実現する戦略的なIT投資が求められる。2009年4月1日にデルがリリースした「PowerEdge 11G」サーバ・シリーズは、それに対する同社の“解”の1つである。



























