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シスコのブレード・サーバ・システムは“戦略的価格”で今夏登場

新アーキテクチャ「Unified Computing System」でサーバ市場参入は成功するか?
(2009年04月17日)

 米国Cisco Systemsは4月16日、3月に発表したデータセンターのための新しいアーキテクチャ「Unified Computing System(UCS)」について、パフォーマンス・テストの結果や価格などの詳細を明らかにした。


Ciscoが投入したブレード・サーバ「8 UCS B-Series Blades」(上)と「4 UCS B-Series Blades」。Xeon 5500番台を搭載

 UCSはブレード・サーバ、ネットワーキング、仮想化技術を1つのシステムに統合するアーキテクチャ。LANやSANのスイッチング・ファブリックを集積/統合し、データセンターの統合化実現に最適化されている。そのほかにも、UCSには複数サーバの一元管理機能、サービス・プロファイルのカスタマイズ、仮想マシンのスケーラビリティを高めるメモリ拡張機能といった特徴があるという。

 そもそも、Ciscoが自社開発のブレード・サーバと、特許を保有するメモリ拡張機能を携えてブレード・サーバ市場に進出したこと自体も注目を集めている要因だ。これらのサーバには、米国Intelの新しいプロセッサ「Xeon 5500番台」が採用されている。

 UCSは、ブレード、CPU、ディスク、メモリ、I/Oカードといったコンポーネントで構成されるが、Ciscoではこれらのコンポーネントを、競合サーバ・ベンダーと対抗できる価格で提供すると述べている。UCSは、(同等のシステムを構成する場合と比べて)少なくとも10%程度のコストを節減する。HBA(ホスト・バス・アダプタ)や10Gbpsイーサネット・インタフェース・カードが搭載されており、それらを追加するコスト(約725ドル)が不要だからだ。

 UCSの導入によってイーサネットやファイバ・チャネル・スイッチ、管理モジュール、関連するソフトウェア・ライセンスなどの数を従来の10分の1に削減することができる。Ciscoの発表によれば、320台のブレードで構成するシステムの場合、競合ベンダーのシステム価格が160万ドル程度になるのに対しUCSは50万ドルを少し上回る程度、つまり約3分の1になるという。

 Ciscoといえば製品価格が高いことで知られているため、今回のUCSの価格には業界ウォッチャーも驚いたようだ。

 Yankeeグループのアナリスト、ゼウス・ケラバーラ(Zeus Kerravala)氏は、「もっと高い価格で出てくるものとばかり考えていたので、この価格には少しばかり驚かされた」と語る。「ネットワークをシステムに組み込み、外部にあったスイッチを不要にしたことで効率化されている。これがコストダウンにかなり貢献しているはずだ」(同氏)。

 Ciscoでは、従来のブレード320台構成のシステムと比較した場合、UCSはCAPEX(資本支出)を30%、冷却コストを3年間で19%、ケーブル総量を86%、ラック・スペースを61%、それぞれ削減できるとしている。実際にCisco自身、1メガワットを供給する1万平方フィートのデータセンターにおいて、ケーブルや光ファイバ、パッチ・コードのコストと人件費を合わせて40%のコスト・カットを実現した一方、サーバ処理能力は30%増、同じスペースに設置できる物理サーバ台数は50%増、1キロワットの電力で稼働させることのできる仮想マシン台数は4倍増という結果を得ている。

 また、UCSのベンチマーク・テストでは、VMwareが提供する仮想化ベンチマーク「VMmark」と標準ベンチマークの「SPEC」において、どちらもトップランクの結果を出したとCiscoは報告している。これらのベンチマーク結果は間もなく公表される予定だ。

 さらに、UCSのメモリ拡張機能は、Xeon 5500がアクセスできるメモリ容量の上限を、通常の2ソケット・サーバの2倍以上となる384GBまで拡張する。さらに64〜144GBのメモリ構成の場合でも、旧来のサーバと比較してメモリのコストを33〜60%程度節減できるとシスコでは説明している。

 「メモリを大規模に集約して、仮想マシンに割り当てる機能こそ、これまで仮想化環境に足りなかったものだ」とケラバー氏は言う。「これにより、サーバ仮想化を目的としたサーバ買い換えの動きが起こるだろう。ただ、Ciscoがどの程度ブレード・サーバ市場を取り込めるかという疑問はある」(同氏)。

 なおCiscoは、UCSと従来のシステムとの互換性がないためUCS導入にはデータセンター機器の大幅な入れ替えが必要になるという説や、UCSは仮想化環境にしか適用できないという説を「俗説だ」と述べている。

 UCSは現在ベータ版で、10社が試験的に導入している。6月にも販売が開始される予定だ。

(Jim Duffy/Network World米国版)

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