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【特別連載】

最新ブレード・サーバ研究

第2回 仮想化のメリットを最大限に生かす
(2009年07月06日)

 社内に分散したサーバを集約して管理を効率化し、ITコストを削減するテクノロジーとして、今、サーバ仮想化に注目が集まっている。しかし、サーバ仮想化環境に適合したシステムを設計・構築し、効率的な運用モデルを確立するのは決して容易なことではない。そうした中で、ここ最近、仮想化環境を最適化するために数々の工夫がなされたブレード・サーバが登場しつつある。今回は、サーバ仮想化技術と新世代ブレード・サーバの組み合わせによって生み出されるさまざまなメリットについて解説する。

1台の物理サーバのリソースを
複数の論理サーバで効率活用

 どんな企業にとってもコスト削減は重要なテーマである。特に深刻な不況下におかれている現在、それはますます切実な問題となっている。しかし、コスト削減を優先するあまり、競争優位を保つのに不可欠な投資まで後回しにしているのなら問題である。最新ITを導入することでシステムの運用効率を高め、無駄を徹底的に排除しながら、大幅なコスト削減効果を享受できるケースもあるのだ。

 そうした中で注目されているのが、VMwareやHyper-V、Red Hatなどの仮想化ソフトウェアや0Sが提供するサーバ仮想化技術である。これは、1台の物理サーバのリソースを論理的なサーバ(仮想サーバ)に分割し、複数の仮想サーバとして同時に動作させることができるというものだ。

 すなわち、これまで分散していた複数台のサーバを1台に集約し、物理サーバの稼働率を高めることで、保守費や電力費、データセンターのスペース費など、より大きなコスト削減の効果を得ることが可能となる。

 また、各機種に依存していたドライバなどの違いを仮想サーバが吸収することで、レガシー・システムを延命できるのもメリットの一つである。もちろん個々の仮想サーバは、ある物理サーバから別の物理サーバへと簡単な操作で移動させることも可能であり、こうした優れた可搬性を生かすことによって、容易な環境移行、柔軟な負荷分散、冗長構成などを実現できるのである。


 そのメリットの多さから、サーバ仮想化技術を導入する企業は今、急速な勢いで増加しつつある。CIO Magazineが実施した2009年度のIT投資動向調査によると、仮想化技術を「すでに導入」とする回答は16.1%であり、「1年以内に導入予定」(11.6%)と「3年以内に導入予定」(17.7%)とする回答は合わせて29.3%にも上っている(有効回答:498件)。

高密度実装のメリットを
最大限に引き出す

 サーバ仮想化技術のメリットを生かせるかどうかは、組み合わせるプラットフォームが重要なかぎを握る。物理サーバやストレージ、ネットワーク・デバイスを高密度に実装できるブレード・サーバは、こうしたサーバ仮想化のメリットを効果的に引き出すためのプラットフォームとして有力な選択肢となる。

 社内の各部門にさまざまな用途で構築されたタワー型やラック型のサーバを仮想化ソフトウェアを活用してブレード・サーバに集約することができれば、設置スペースを大幅に縮小することができる。さらに、1台の物理サーバ上に、複数の業務を稼働させることが可能になるため、サーバの保守・運用にかかわる費用を削減できるほか、消費電力も大幅に抑えることができる。


 サーバ仮想化技術を導入するプラットフォームを選ぶうえで、まず考慮しなければならないのは、多数の仮想サーバを搭載可能なリソースを備えていることだ。CPUの処理能力はもちろん、メモリ容量やLANポートのスループットにも注意する必要がある。

 例えば、最新のブレード・サーバとして前回も取り上げた富士通の「PRIMERGY BX900 S1」(以降、BX900)の場合は、10U(約45cm)サイズのシャーシ(エンクロージャ)に18枚のサーバ・ブレードを実装することができる。

 BX900のサーバ・ブレードは、インテルの最新クアッドコア・プロセッサXeon 5500番台(最大2CPU搭載可能)を採用し、1G LAN(最大12ポート)、10G LANにも対応(最大4ポート)、最大72GBの大容量メモリをサポートするなど、サーバ仮想化環境に十分に対応できるスペックを備えている。

物理サーバ/仮想サーバ/ネットワークの
一元管理で運用コストを最小化

 もっとも、サーバ仮想化技術といえども万能ではなく、問題点もあることを忘れてはならない。先ほど、サーバ仮想化技術は、1台の物理サーバのリソースを論理的なサーバに分割すると述べたが、それによってハードウェアやネットワークの管理が不要になるわけではない。

 物理環境と仮想環境が分離されることで、かえって管理が複雑化してしまうケースも少なくない。また、複数の仮想サーバの運用が物理サーバのリソース不足を招き、思わぬボトルネックが発生するケースもあるのだ。

 サーバの導入作業や日常の運用管理を可能な限り省力化し、コスト削減を図っていくうえでは、さまざまな設定を容易に行えるプラットフォームが望ましい。特に、サーバ交換や予備機へのリカバリー処理などの構成変更時にしばしば苦労するのが、LANやSAN環境の再設定である。

 BX900の場合は、各サーバ・ブレード側でMACアドレスやWWNアドレスを仮想的に管理することが可能となっており、これらのネットワーク設定に要する手間と時間を大幅に削減することができる。

 また、BX900の最新スイッチ・ブレードでは、業務や部門別にサーバ・ブレードとスイッチ・ブレードのアップリンクを対応づけたパーティションを簡単かつ安全に設定できるIBP(Intelligent Blade Panel)モードも利用でき、仮想マシン向けにパーティション内をさらに細かく分割することも可能だ。


 こうした機能やブレードを効率的に活用し、I/O仮想化制御やバックアップ機能などを駆使すれば、物理サーバと仮想サーバを集約した高可用型のブレード・サーバも容易に構築することができる。

 管理面において、もう1つ忘れてはならないのが、物理サーバ/仮想サーバ/ネットワークの一元管理の仕組みである。

 BX900では、サーバの可視化・自動化ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」を使えば、物理サーバと仮想サーバのマッピング状況と稼働状況を容易に把握でき、サーバの電源オン/オフやリブートなどの操作も共通で行える。


 仮想化環境の管理で特に重要なのが、ネットワークの管理である。仮想サーバの管理については、すでに標準的なツールが提供されるのが一般的になっており、管理作業も容易になりつつある。しかし、仮想サーバと仮想スイッチを含むネットワークの一元管理は引き続き困難な課題である。

 ServerView Resource Coordinator VEでは、仮想サーバや仮想スイッチのネットワークの結線をマップでわかりやすく表示し、複雑なネットワーク構成でも、部分的に選択して見やすく表示できる。例えば、スイッチが故障した場合などの状態を、その影響範囲も含めて容易に確認することが可能だ。


 こうした運用管理の効率化は、万が一のトラブル発生時にも早急な復旧をサポートし、被害を最小限に抑えるというメリットをもたらすのである。

 次回はブレード・サーバによって実現する環境保護(グリーンIT)についてリポートする予定だ。

(Computerworld.jp)

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