ネットブックの最新潮流
PC市場を牽引する小型ノートの今後を占うコンシューマー市場だけでなく、エンタープライズ市場にもジワジワと浸透しつつあるネットブック。最近では、類型的なモデルだけでなく、個性を売りにした製品も登場してきており、ネットブックは今、成長期を終えて成熟期(普及期)へと歩を進めつつある。本企画では、そんなネットブックの今後を占うとともに、次世代ネットブックによって開拓されるであろう新しいモバイル市場についても考察してみた。
ネットブック好調の陰で
苦戦する従来型ノートPC
低価格でモビリティに優れ、電子メールやインターネットの利用に最適なネットブック。不況の影響でPC全体の売上げが落ち込むなか、ネットブックだけがひとり気を吐いている。
投資調査会社チェンジ・ウェイブが今年4月に米国内で実施したアンケートによると、「今後3カ月以内に新しいコンピュータの購入を予定している」とした回答者は全体の12%にとどまったが、そのうち「ネットブックの購入を検討している」との回答は25%に上った。
ワールドワイドで見ても、ネットブックが支持を広げていることがよくわかる。調査会社ABIリサーチの集計では、2008年におけるネットブックの販売台数は世界全体で1,600万台に達している。
とはいえ、ネットブックを提供するベンダーの側からすれば、ネットブックの大ヒットは手放しで喜べるものではない。ネットブックの最大のセールス・ポイントである価格の安さは、ベンダーにとっては利幅の薄さを意味するからだ。
かつてPCの世界では、何よりもクロック周波数の高さが重視された。だが、経済危機で景気が冷え込んでいる現在、人々はハイスペックのPCではなく、とにかく低価格のPCを求めたがる。
しかも、こうしたネットブック人気は、高性能ノートPCの販売低迷という副作用を引き起こしている(関連記事)。一部のベンダーは、ネットブックが売れれば売れるほど、利幅の大きい高性能ノートPCの売上げが落ち込むという状況にある。「ベンダーみずから『どん底への競争(race to the bottom)』に身を投じている」(業界関係筋)というのが実情なのだ。
だが、こうした状況を、ユーザーであるわれわれが心配する必要はない。顧客が低価格のPCを望んでいるならば、ベンダーはそれを提供するべきなのだ。従来型ノートPCの売上げをネットブックに浸食されたくなかったら、値段に見合うだけの魅力的な製品を提供するしか方法はないのである。
ネットブックの低価格化は今後も進むだろう。ネットブックの価格を250ドル以下に引き下げる(250ドル以下にしてももうかる)ことに貢献する新プロセッサや技術の開発も、大手ベンダーの手で進められている。これらの新技術が登場すれば、ソフトウェア、ユーザー・インタフェース(UI)、フォーム・ファクタが刷新され、「単なる低価格の小型ノートPC」というネットブックの位置づけも変わってくるはずである。



























