次世代Atom“Pineview”は、ネットブック競争を戦い抜くためのIntelの矛
熱効率の向上でバッテリ利用の効率化、小型化を実現米国Intelは、Atomファミリーの次世代プロセッサを年内に投入するもようだ。アーキテクチャの全面的な見直しにより、性能の向上と発熱量の減少が図られるという。アナリストは、英国のチップ・ベンダーARMとの熾烈な競争が予測されるUMPC市場で強力な武器になると見ている。
6月10日に発行された香港の雑誌「HKEPC」によると、Atomの次世代バージョン(開発コード名「Pineview」)では、ネットブック用のシングルコア・プロセッサ N450、ネットトップ(小型デスクトップPC)用のシングルコア・プロセッサ D410とデュアルコア・プロセッサ D510などが製品化される見通しであり、いずれもクロック周波数は1.66GHzになるという。この記事は、台湾のPCメーカーに対する取材を基にして書かれた。
現在のシングルコアAtomプロセッサ N270/N280は、それぞれ1.6GHzと1.66GHzのクロック周波数になっており、ネットトップPC用のデュアルコア・プロセッサ N330は1.6GHzだ。したがって、次世代Atomは現行バージョンに比べて性能の向上は目立つほどではないが、もちろん大幅に進化している部分はある。
発熱量の減少はその1つだ。N450の熱設計電力(TDP)は平均2W(ワット)であり、最大でも7Wとなった。N270では、平均4W、最大16Wであった。
N450は発熱量が少ないので、冷却ファンを取り付ける必要がない。このため、N450のチップセットは、物理スペースをN270の3分の1程度にすることが可能であり、これまでよりも小さくて薄いネットブックを開発することができるという。
Insight64のアナリスト、ネーサン・ブルクウッド(Nathan Brookwood)氏は、HKEPCで明らかにされた次世代Atomのスペックがおおむね正しいと認めたうえで、新型AtomのNM10 Expressチップセットにグラフィックス・プロセッサとメモリが統合される点を高く評価している。
同氏は、「グラフィックスとメモリ・コントローラをCPUのダイに組み込むことで、これまでのIntelプロセッサに付きものだったフロントサイド・バスが不要になる。価格や電力効率の面でも有利だ」と語る。
プロセッサの消費電力が減れば、バッテリ駆動時間を伸ばしたり、バッテリを小型軽量化したりすることが可能になる。この点は、英国ARMのプロセッサを搭載した「スマートブック」との戦いを前に、ネットブック市場でのリードを守りたいIntelにとって好材料と言える。
次世代Atomでは、統合グラフィックス・チップも強化され、200MHzのGMA 500が採用される予定だ(現在のAtomは133MHzのGMA 945)。ブルックウッド氏は、グラフィックス・プロセッサとCPUの統合が進むことで性能が向上し、NvidiaのIONプラットフォームは魅力を失うと指摘する。
一方、次世代Atomには、ハードウェア仮想化技術が盛り込まれない見通しだ。このためIntel Virtualization Technology(Intel VT)をきちんと稼働させるには、Windows 7のXPモードを有効にする必要がある。
HKEPCによると、N450とD510は今年第4四半期に、D410は2010年第1四半期にそれぞれ出荷されるもようだという。台湾のPCメーカーであるElitegroup Computer Systemsなどは、先週台湾で開催された展示会Computexに次世代Atomプロセッサ搭載のコンピュータを出展していた。
(Eric Lai/Computerworld米国版)



























