アップルのタブレットPC、登場は2010年2月か?──米国調査会社は懐疑的
「可能性はあるが、情報が具体的すぎてむしろ疑わしい」とアナリスト台湾のニュース・サイト「Taiwan Economic News」は9月14日、複数の情報筋の話として、米国Appleが2010年2月に9.6インチのディスプレイを搭載したタブレット型デバイスを発売する見通しであると報じた。ただし米国のアナリストらは、情報の信憑性を疑問視している。
Appleが800ドルのタブレット型デバイスを発売するという報道は、今回が初めてではない。7月には台湾InfoTimesが、“9.7インチ”タッチ・スクリーンを搭載したAppleネットブックが今年10月に登場すると予測していた。今回の報道は、これよりも発売が4カ月伸びたことになるが、それよりも注目したいのは情報の具体性だ。
Taiwan Economic Newsによると、2010年2月に発売される“Appleタブレット(Appleネットブック)”向けに、すでに複数のコンポーネント・サプライヤーが部品を製造中だという。アップル・タブレットは9.6インチのディスプレイと、iPhoneやiPod Touchに搭載されて一躍有名になった「マルチタッチ・ユーザー・インタフェース」を搭載し、Appleが1年ほど前に買収した半導体設計会社「P.A. Semi」のプロセッサが採用されるとのことだ。
また同デバイスには、「HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)」モジュールも搭載されるそうだ。HSDPAは、米国AT&Tが米国内で採用している第3世代携帯電話(3G)のデータ通信規格であり、日本国内ではNTTドコモやソフトバンクが採用している。AT&Tは現在、米国でAppleとキャリア・パートナーの独占契約を結んでいる。ドイツとオーストリアでAppleと提携しているT-Mobileも、米国内ではHSDPAを使っている。
HSDPAの話が事実ならば、Appleと交渉中とされていた米国VerizonがAT&Tからキャリア・パートナーの座を奪うのではないかといううわさは消えることになる。Verizonは、HSDPAでなくEVDO Rev. A(Evolution-Data Optimized)データ通信規格を採用しているからだ。
うわさはうわさに過ぎないのか
Taiwan Economic Newsの情報筋によると、Appleタブレットの価格は800〜1,000ドルとなるという。この価格帯は、Appleタブレットのうわさが持ち上がった当初の予測と大きく異なる。
Appleタブレットは、一部のアナリストの間で「iPod Touchの増強版」としてうわさされ、内容はずいぶん前から一貫していた。例えば5月には投資調査会社Piper Jaffrayの証券アナリストであるジーン・マンスター(Gene Munster)氏が、状況証拠やアジアのコンポーネント・サプライヤーから得た証言を基に、「Appleは2010年に500〜700ドルのタブレットPCをリリースする」と断言していた。
Appleタブレットに関するうわさが大々的に報じられたのは、6月上旬に開催されたAppleの年次開発者向けコンファレンスの直前だったが、アナリストらは当時、同社がそうしたデバイスを発表することはないだろうと予測し、実際、このときに発表されることはなかった。
「今回のうわさは十分あり得る話ではあるが、ゴシップ記事を鵜呑みにするのは難しくなってきた」と、米国の市場調査会社Technology Business Researchのアナリスト、エズラ・ゴットヘイル(Ezra Gottheil)氏は冷静に分析する。「確かに理屈としてはつじつまが合うが、最近は単に業界関係者が勝手な憶測を互いに信じ合っているように見える。もしかしたら、Appleが意図的に偽情報を流しているのではないかとさえ思うほどだ」(ゴットヘイル氏)。
ただ同氏は、今回の報道があまりに具体的であったことに非常に驚いたという。「この情報筋は、具体的な社名や部品名まであげている。Appleならば、そういうことは決して許さない。サプライヤーに対して、開発内容を極秘にするようあらゆる手を尽くすはずだ」(ゴットヘイル氏)。
(Gregg Keizer/Computerworld米国版)



























