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アナリストが指摘、「マイクロソフトのアキレス腱はネットブックとOffice」

1Q決算で見た、ネットブック絶好調のジレンマ
(2009年10月27日)

 減収減益となった米国Microsoftの2010会計年度第1四半期(7〜9月期)決算。その要因は、ネットブックの“好調”と、コンシューマー向け「Microsoft Office」の販売落ち込みだったようだ。

 あるアナリストは、「ネットブック向けのWindows 7(Starter Edition)や、コンシューマー向けOfficeの無料Web版がリリースされても、Microsoftの業績を好転させることはできないだろう」と予想している。

 Microsoftの投資家向け広報(IR)担当ゼネラル・マネジャー、ビル・ケーフォード(Bill Koefoed)氏は決算発表後の電話会見で、第1四半期におけるWindowsの出荷実績のうち、ネットブック向けは約12%を占めたことを明らかにした。また、最高財務責任者(CFO)のクリス・リデル(Chris Liddell)氏は今後の見通しについて、「ネットブックの出荷は、ほかのPCカテゴリーよりも速いペースで成長し続けるだろう」と述べた。

 Windows Vistaをストレスなく稼働させるためには、かなりのハイスペックなシステムが要求される。そのためほとんどのネットブックでは、Windows XP Home Editionが採用されている。MicrosoftがVistaやWindows 7をPCベンダー(OEM)に販売することで得る収益は、1ライセンス当たり50〜60ドルに上るのに対し、Windows XPの場合は約15ドルであると報じられている。

 こうしたことが影響し、第1四半期のOEM売上高は前年同期比6%減となった。Microsoftは今年7月にWindows 7をOEMパートナーにリリースしており、第1四半期に過去最高数のWindowsライセンスを販売したと言われている(具体的な数は未公表)。こうした状況にもかかわらず、Windowsの全売上高は、同4%減の40億9,000万ドルにとどまった。

 独立系調査会社の米国Directions on Microsoftのアナリスト、ロブ・ヘルム(Rob Helm)氏によると、OEMパートナーが負担するWindows 7 Starterのコストは、XPの2倍程度だという。

 「ほとんどのネットブックにとって、Windows 7 Starterは“コスト過大”となる。ネットブック・ベンダーの多くは、Windows XPの販売延長が徐々に終了する2010年秋までWindows XPから乗り換えないだろう」(ヘルム氏)

 一方、Officeを統括するビジネス部門の売上高は、前年同期比11%減の44億ドルとなった。これはコンシューマー向けの売上高が同34%減と落ち込んだことが響いたようだ。コンシューマー向けの売上高はビジネス部門の全売上高の約4分の1を占めている。その大部分はOfficeの販売によるものだ。

 Microsoftはここ数年、学生や軍関係者、退職者などをターゲットに活発なプロモーションを展開し、Officeを拡販してきた。その結果、前年比での成長達成が難しくなっていると、ヘルム氏は指摘した。

 「ネットブックの販売が好調なことも、Officeにとっては逆風となっている。ロースペックなネットブックでは、機能が充実しているOfficeは必要ないのだ」

 Microsoftは現在、無料で利用できるWeb版オフィス・スイート「Office Web Applications」を準備している。同スイートがリリースされれば、コンシューマー向け売上高は減少を続けるかもしれない。

 とはいえ同スイートでは、次期Officeスイートである「Office 2010」の機能がすべて提供されるわけではない。ヘルム氏によると、MicrosoftはOffice Web Application内に広告を表示し、ユーザーにOffice 2010へのアップグレードを促す計画だという。

 Microsoftは決算発表後の電話会見で、Officeに対するユーザーの支持をどう回復するかについては触れなかった。なおリデル氏は、「ビジネス部門の売上高は、第2四半期(10-12月期)には上向かないだろう。しかし、2010年には企業がOffice 2010へのアップグレードを開始するため、改善する可能性がある」との見通しを示している。

(Eric Lai/Computerworld米国版)

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