「クラウド・コンピューティング」は「仮想化」以来の“乱用語大賞”
「過大な情報がIT業界に混乱を招く」とガートナーが警鐘クラウド・コンピューティングのコンセプトは大げさに取り上げられている部分があり、ITベンダーや専門家それぞれによる定義が矛盾した状態で流布し、IT業界に混乱を招いている――。米国のIT市場調査会社Gartnerは9月29日、このような声明を発表した。
バズワード化するクラウド・コンピューティング
Gartnerの“クラウド・コンピューティングへの警告”は、米国オーランドで10月に開催予定の同社の年次コンファレンス「Gartner Symposium/ITxpo 2008」(10月12日〜16日)に先立つ形で発せられた。
クラウド・コンピューティングに対するGartnerの定義は、「インターネット・テクノロジーを使い、複数の社外顧客に巨大な規模で拡張可能なIT関連の機能を“サービスとして”提供するコンピューティング・スタイル」というものだ。だが、この言葉は現在、「各社がさまざまな定義で安易な使い方をしており、IT市場に大きな混乱を招いている」と、Gartnerは29日付けのプレスリリースで指摘している。
時流に乗ったキーワードは、みずからのビジネスの説明に便利なバズワード(buzzword)となり、それぞれのスタンスからの乱用が始まる。ここ最近、ハードウェア製品からSaaS(Software-as-a-Service)、仮想化技術に至るまで、どのIT企業もクラウドという言葉を使い過ぎている感がある。米国VMwareのCTO(最高技術責任者)、ステファン・ヘロッド(Stephen Herrod)氏も先ごろ、「“クラウド”は“仮想化”以来、最も乱用されている言葉かもしれない」と苦言を呈したところだ。(次ページに続く)
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