クラウド・サービスへの移行で忘れてはならないDNS管理の問題
最適なトラフィック管理で高速かつ安定したサービス提供基盤を確保する世界経済が低迷するなか、IT運用コストの削減を約束するクラウド・コンピューティング・モデルはとりわけ魅力的に映るかもしれない。かといって、ただちに既存のデータセンターの運用を中止し、インターネット上に分散したサーバを使い始めるのは早計かもしれない。その前に、まずDNSインフラについて再考すべきだと専門家はアドバイスしている。
米国ニューハンプシャー州に本拠を置くDNSサービス・プロバイダー、Dynamic Network Services(Dyn)は、DNSアウトソーシング・サービスの拡充を図り、クラウド・コンピューティングに移行した企業が直面する多くの問題への対応策を提供しようとしている。
Dynは2009年1月、企業顧客向けの「Dynect」プラットフォームにトラフィック管理機能「Dynect Traffic Management」を追加する。これによって、現在数百社が利用している同プラットフォームでは、顧客が地理的に最も近い利用可能なサーバにトラフィックを誘導し、Webアプリケーションのレイテンシを低減するグローバル・ロード・バランシングを実現できるようになる。
DynのCEO兼CFO(財務担当最高責任者)、ジェレミー・ヒッチコック(Jeremy Hitchcock)氏によると、クラウド・コンピューティングの本格導入が進むにつれて、とりわけAkamaiが提供するCDN(Content Delivery Network:コンテンツ配信ネットワーク)のようなダイナミックなWebアプリケーションのトラフィック管理が非常に重要になってくるという。
CDNは、小規模/大規模のファイルの処理、ストリーミング・メディアのダウンロードに非常に優れている。しかし、データベースを伴うアプリケーションとは相性が良くないようだ。
ヒッチコック氏は、「顧客の多くはそうした問題の解決策として、例えばRackspaceやVerioといった大手ホスティング・ベンダーのサーバを利用しようと試みる。しかし、ユーザーが地理的に近いアプリケーション・サーバに確実にアクセスするようにする手段がないため、結果的に適切なインターネット・ルーティングが行われないケースが出てくる」と指摘する。
同氏によれば、DynのDynect Traffic Managementでは、航空機の飛行地図のようなネットワーク・サーバ・マップが提供され、顧客はこれを使って自分たちのアプリケーションをローカライズすることにより、世界中のユーザーの応答時間を短縮できるという。
「Dynect Traffic Managementで目指しているのは、コンテンツとダイナミック・アプリケーションを世界中に分散させることにより、柔軟性に富んだアプリケーションをエンドユーザーに届けることだ。こうしたアプリケーションを複数のデータセンターに分散することにより、シングル・ポイントでの障害時に必要とされるエンジニアリングを不要にしたいと考えている」(ヒッチコック氏)



























