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クラウド・コンピューティング

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【解説】

「Open Cloud Manifesto」の取り組みは成功するか

Amazon.comやGoogle、Microsoftが参加しなかった理由とは
(2009年04月01日)

 Microsoftが事前に暴露してしまったクラウド・コンピューティングに関するベンダー間の協調的な取り組みが、マニフェストという形で陽の目を見た。だが、そこにはMicrosoftやAmazon.com、Googleといったキー・プレイヤーの姿はなかった。



Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局

 相互運用性の実現を目指す数十社のクラウド・コンピューティング・ベンダーが議論を重ねたうえで署名した「Open Cloud Manifesto(オープン・クラウド宣言)」が3月30日、公開された(関連記事)。


「Open Cloud Manifesto(オープン・クラウド宣言)」では、クラウド・ベンダーが順守すべき6つの原則が掲げられている

 6ページにわたるこのマニフェストでは、クラウド・ベンダーが順守すべき6つの原則が掲げられている。その1つ目は、ベンダーは「(セキュリティ、インテグレーション、ポータビリティ、相互運用性、ガバナンスおよびマネジメント、計測および監視といった)クラウドの実装作業を手がける際は、オープン・スタンダードに従うべし」というものだ。

 ほかにも、「市場での地位を利用して顧客を独自プラットフォームに縛りつけてはならない」「標準規格がある場合はそれを使用する」「新たな規格を作成したり、既存の規格を改変したりする際には十分に注意を払う」「“ベンダー側の技術的ニーズ”と対立する顧客のニーズを重視する」「さまざまなクラウド・コンピューティング団体やコミュニティ、プロジェクトは相互間の協調を図る」とする5項目の原則が掲げられている。

参加しなかったキー・プレイヤーたち

 同マニフェストには、IBM、Sun Microsystems、VMware、Cisco、EMC、SAP、AMD、Elastra、Akamai、Novell、Rackspace、RightScale、GoGridなど多数のベンダーが参加している。

 しかしその一方で、「EC2(Elastic Compute Cloud)」サービスを擁するAmazon.comや、Google、最近「Azure」クラウド・プラットフォームを立ち上げたMicrosoftといった、同業界のキー・プレイヤーたちが参加していない点が気にかかるところだ。

 Amazon.comの広報担当者が発表した声明によれば、同社は最近までこのマニフェストの取り組みについて知らなかったのだという。同社は「ほかの規格案や取り組みへの対応と同じように検討していく予定」だとしている。

 一方、Microsoftのスティーブン・マーティン(Steven Martin)氏は、26日に同社公式ブログでこのマニフェストに対して「欠陥があるばかりか、秘密裏に作成されたものだ」と批判した(関連記事)。

 Microsoftではこうしたドキュメントは誰もが意見を寄せたり、議論を交わしたりすることのできるWikiなどの仕組みを介して作り上げていくべきだと考えている、とマーティン氏は主張している。

 また、当初は同マニフェストに署名していたCloud Computing Interoperability Forum(CCIF)も、3月29日付ブログ投稿でこの取り組みから手を引いたことを明らかにしている。

 「我々はマニフェストの内容や、真にオープンなクラウドを目指すという精神には深く賛同していたため、今回の決断を下さねばならなかったのは非常に残念である。しかし彼らは、オープン性やプロセスの公平性をあからさまに押しつけてきた。これではCCIFとしても、同マニフェストを誠心誠意支持することはできない」(CCIFのブログ投稿より)

 IBMは先週、マニフェストの発表をマスコミにアピールする過程で、Googleを署名企業の1社としてあげた。しかしその後、Googleは取り組みから離脱している。その理由はまだ明らかにされていない。

 Googleは声明の中で、「当社は同マニフェストには関与していないが、(中略)あらゆるベンダー、あらゆるデータとの相互運用性について、オープン性を保っていくつもりだ」と述べている。

 だが、IBMのオープンソースおよびLinux担当副社長を務めるボブ・スーター(Bob Sutor)氏は、公開直前にこうした話題が取りざたされたことで、かえってマニフェストへの注目度が高まったと話す。

 「一連の出来事が人々に何らかの影響を及ぼすとしたら、『これはなんだろう?』と興味を抱かせることだったのではないか。そうやって関心を持った人々は、実際にマニフェストを読み、自身で是非を判断することができる」(スーター氏)

 さらに同氏は、マニフェストの内容は「(我々の取り組みを)過大に誇張するようなものではない」と付け加えた。「将来的に、ユーザーが複数のクラウド・プロバイダーを利用するようになれば、データのポータビリティ(可搬性)は必須となる。単一ベンダーに依存する状態を望む顧客などいない」(スーター氏)。

 さらにスーター氏は、クラウド・ベンダー各社は「実装形態やサービスの質で、他社との差別化を図る」べきだとも述べている。

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