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クラウド・コンピューティング

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【事例】

「Force.com」を活用し、広告制作プロセスの一元管理サービスを提供する博報堂

クラウドで企業/拠点間コラボレーションを実現、広告制作業務を効率化
(2011年02月24日)

 博報堂と博報堂プロダクツが開発、提供する「Production Cloud」は、各種広告/販促物の制作業務プロセス全体をWebブラウザ上で一元的に把握/管理できるサービスだ。クライアント企業内、さらには制作会社、印刷会社など複数の関係者との間で、クラウドを活用した業務プロセスの可視化と企業間でのコラボレーションを実現する。システム開発を本業としない同社がこのサービスを提供するに至った背景や、クラウドがもたらすメリットなどを聞いた。

One to Oneマーケティングにおける広告制作側の課題

 

 消費者の趣向が多様化するなか、広告業界では、マスメディアを使い一律的な知名度向上を狙った従来のマス・マーケティングに加え、個々の消費者や商圏、流通のニーズに応じたOne to Oneやエリア・マーケティングへの注力が求められるようになった。これらのマーケティングでは、顧客の特性や商圏などに合わせて広告上の表現を変更するといった、より細分化した広告活動が求められる。

 大手広告代理店の博報堂も、「マスからOne to Oneへ」というマーケティング・シーンの変化を受けて、それに対応すべくいち早く取り組んできたが、そこに抱える課題も多かった。

 広告POPを例に考えてみよう。マス・マーケティングでは、同じ内容の店頭POPを大量に作成して全国に配布していた。一方で、エリア・マーケティングの場合、商圏や流通チャネルごとにPOPの内容を変更する必要がある。そのため、内容の異なるPOPを数十〜数百部ずつ作成し、それぞれ地域を特定して配布するような業務が必要になる。

 こうなると、個々の広告制作と流通にまつわる業務プロセスが飛躍的に増加してしまい、結果的に労働集約型にならざるを得ない。コスト効率が非常に悪くなるだけでなく、制作会社や印刷会社など自社内外で発生するプロセスを管理しなければならないクライアント側にも大きな負担を強いることになる。

 こうした課題の解決に向けて、クライアントのカスタマイズやオンデマンド・ニーズに適合した広告の制作、製造、流通の形態を創出すべく策を練っていた博報堂が編み出したのが、広告制作にまつわる業務プロセスをシステムに落としこんで一元管理するという手法だったのだ。

共通プラットフォームの提供でコスト効率と汎用性を確保

博報堂 プロモーションセンター プロモーションビジネス開発部 部長、吉田宏信氏

 博報堂がシステムの開発に着手したのは、今からおよそ2年前。すでに話題となっていたクラウド・コンピューティングに着目し、導入実績の豊富さなどからそのプラットフォームとしてセールスフォース・ドットコムの「Force.com」を採用した。

 博報堂 プロモーションセンター プロモーションビジネス開発部で部長を務める吉田宏信氏は、開発に着手した当時の様子を次のように振り返る。

 「以前から広告制作、製造、流通の業務プロセスを一元管理するシステムが欲しいというニーズは存在した。だが、クライアントごとにそうしたシステムを開発していたのではコストがかかりすぎる。そこで、クラウド・コンピューティングで共通のサービス基盤を構築しようと考えたのだ。当時はクラウド・プラットフォームの選択肢が現在ほどなかったこともあって、Force.comの選定についてはほとんど迷うことはなかった」(吉田氏)

 博報堂では、ある大手クライアントからの要望で、1990年代末にWebベースの広告制作管理システムを開発、運用した実績があった。今回のシステム開発に当たっては、その知見が大いに役立ったという。

 同システムの開発はほとんど障害らしい障害もなく進んだが、「唯一苦労した」のが個々のアプリケーション間の連携だったという。博報堂グループの総合制作事業会社である博報堂プロダクツの顧客化接点事業推進室 プランニングディレクター、其田譲治氏は次のように説明する。

 「広告素材を管理するアプリケーション、校正作業を支援するアプリケーションといったそれぞれのアプリケーションが、個別に動いていたのでは意味がない。アプリケーションがきちんと相互連携してこそ、我々のシステムの本当の強みが生まれる。7つや8つというアプリケーションをいかに有機的に連携させるか、複数のサプライヤーの協力を得ながら知恵を絞った」(其田氏)

Production Cloudは、特にOne to Oneマーケティングの広告物制作における効率性の向上を目的として開発された

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