英国警察当局、クラウドへの大規模な移行を検討
大幅なコスト削減をねらうも、データの機密性から考えると反発の声も英国全土の警察がクラウド・コンピューティングへの大規模な移行を検討している。移行の狙いは、オンプレミスのITシステムから脱却し、コスト削減を進めることにある。
警察が扱うデータの機密性を考えると、物議を醸しそうな動きだ。英国ロンドン警視庁は、幅広いフロントエンド・システム(パトロール、オペレーション、インシデント、捜査の管理、証拠管理およびフォレンジクス、情報照合など)を、クラウドでどのように運用できるかを検討している。このプロジェクトが進めば、ロンドン警視庁が主契約者としてサプライヤーと契約し、他の警察当局はフレームワーク契約によってサービスを購入すると見られている。
「Strategic Cloud Programme」の下、 これらのフロントエンド・システムは、コラボレーション、ナレッジ・マネジメント、リスク管理、情報共有、ビジネス・インテリジェンス(BI)アナリティクスといったツールでサポートされる。このプログラムは、これらのシステム環境を標準ベースでスケーラブルなものにするとともに、強力なセキュリティ、従量課金制、高いSLA(サービスレベル保証)を確保することを目指している。
ロンドン警視庁は7月27日、サプライヤーおよび50の警察当局とともにイベントを開催、新しいクラウド・ベース・システムの主な要件を検討した。
ロンドン警視庁は、リード・サプライヤーかサプライヤー・コンソーシアムと7~10年の契約を結ぶ計画だ。契約は、インフラを提供するサプライヤーとの契約と、通信関連ソフトウェアを提供するサプライヤーとの契約に分かれるかもしれない。
ロンドン警視庁は、30の基幹システムと600程度のレガシー・アプリケーションをリプレースしたいと考えている。これらは主に、米国Oracleに買収されたSunのサーバや、ウィンテル・アーキテクチャのシステムをベースにしている。
ロンドン警視庁は、新しいクラウド・システムは強固なセキュリティを備えたものになり、フェデレーテッド・アイデンティティ、徹底的な監査証跡、各警察当局およびサプライヤー全体にわたって共通の認証モデルが導入されると強調している。
ロンドン警視庁は先月、初期要件をまとめるため、専門担当者によるクラウド・コンピューティング・チームを設置した。プロジェクトは実施されそうな見通しだが、まだ実施が確定しているわけではない。
ロンドン警視庁は声明で、将来のシステムとITインフラの要件に加え、その最適な実現方法を常に検討していくと述べている。クラウド・コンピューティングは、「潜在的な選択肢の1つ」だとしている。
ロンドン警視庁がクラウドへの移行を検討している背景には、同庁の主要システムの多くがあまりに複雑かつコスト高であり、寿命に近づいているという認識がある。
現行システムおよびアプリケーションのリプレースにあたっては、俊敏な実行、政府および警察の基準の順守、業務コストの削減が求められる。ロンドン警視庁は、これらの課題に対応できる可能性のあるソリューションとして、クラウド・コンピューティングの検討を行っているという。
契約には、クラウド・コンピューティング・サービスおよびアプリケーション、保守サービス、適切なミドルウェアの提供が盛り込まれると見られている。
ロンドン警視庁はサプライヤーに、「ロンドン警視庁は2014~2015年度までに、2010~2011年度と比べて支出を6億ポンド削減する必要がある」と述べている。
(Leo King/Computerworld英国版)



























