「2、3年後にはインタークラウドが実用段階に」――GICTF副会長・後藤氏
クラウドどうしをつなぐための標準化議論はどこまで進んでいるのか?標準化によって、複数のクラウド・システム間で“リソースの貸し借り”を実現しようという「インタークラウド」の取り組み。高い信頼性/可用性を必要とする社会基盤システムの構築や、企業のBCP(事業継続計画)実現においても重要な意味を持つ。多くの標準化団体がかかわるこの取り組みの現状について、IEEE(米国電気電子学会)Computer Society理事であり、日本のGICTF(グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム)副会長を務める情報セキュリティ大学院大学 教授、後藤厚宏氏に話を聞いた。
情報セキュリティ大学院大学 教授
後藤厚宏氏
――まず、クラウド全般の標準化議論についてお聞きしたい。いったいどの団体が先頭に立って、どのように標準化を推進しているのか。
クラウドの構築と利用にかかわる技術領域は非常に幅広いため、特定の標準化団体が全域にわたって標準化を推し進めるのには無理がある。多数の標準化団体が、それぞれの対象領域にかかわる議論に参加し、お互いに協調しあって進めているというのが実態だ。
活動している標準化団体も多彩だ。一例を挙げると、国際的な技術標準(デジュール・スタンダード)を定める公的機関では、ITU-T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)とISO(International Organization for Standardization)、世界的な学会であるIEEEが積極的に活動している。また、業界標準を決める団体としてはDMTF(Distributed Management Task Force、ITシステム管理分野)、SNIA(Storage Networking Industry Association、ストレージ分野)、OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards、システム・セキュリティ分野)などが参加している。さらに、米連邦政府の採用する標準を決めるNIST(National Institute of Standards and Technology)のような組織も、利用する側から積極的に発言をしている。
こうした状況の中で、GICTFでは特にクラウド間の相互運用性(インターオペラビリティ)を確立するためのインタークラウドの議論を、ITU-Tなどの場において積極的に進めている。
クラウド関連技術の中には、すでに標準化団体によって策定済みの標準もある。例えば、DMTFが定めた仮想マシン・イメージの標準フォーマット、OVF(Open Virtualization Format)などがそうだ。こうした標準はそのまま活用しながら、インタークラウドの実現に向けて取り組んでいる。




























