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ヴイエムウェア、携帯電話端末向けハイパーバイザを発表

仏トランゴ社の買収によりモバイル仮想化技術を獲得
(2008年11月11日)

 米国VMwareは11月10日、携帯電話端末向けのハイパーバイザ(Hypervisor)「VMware Mobile Virtualization Platform(VMware MVP)」を提供開始すると発表した。携帯電話端末で仮想化を実現することにより、デバイス・ベンダーが複数のOSに対応するアプリケーションを設計できるほか、同じ端末上で「ビジネス用」と「個人用」のようにアカウントを使い分けることも可能になるという。


VMwareはWebサイトに「携帯電話の仮想化技術」のページも設けた(http://www.vmware.com/technology/mobile/)

 VMwareはx86サーバ仮想化におけるマーケット・リーダーだが、今回発表されたモバイル・ハイパーバイザは同社が独自開発したものではない。今回の発表の中で、同社はフランスのTrango Virtual Processorsを10月に買収していたことを明らかにし、このTrangoから買収した技術を自社製品にリブランドしたと述べている。なお、VMware MVPの提供価格や、Trangoの買収金額などは公開されていない。

 同社の製品管理/市場開発担当ディレクターのスリニヴァス・クリシュナムーティ(Srinivas Krishnamurti)氏は、「VMwareでは携帯電話市場を仮想化にとっての次なる開拓分野と位置づけている」と語った。

 「携帯電話端末の仮想化市場はまだごく初期の段階にあり、仮想化が携帯電話で主流になるまでには、数多くの仮想化製品が展開されるだろう。我々はTrangoの買収によって、マーケットに早期参入することができた」(クリシュナムーティ氏)

 ハイパーバイザは、アプリケーションとデータをハードウェアから切り離す(アプリケーション/データとハードウェアの間に抽象化レイヤーを配置する)。これにより、携帯ベンダーはデバイスごとのハードウェアの違いを意識することなく、共通のソフトウェアを搭載することができる。クリシュナムーティ氏は「仮想化技術によって、新機種を開発し、市場に投入するまでの時間が短縮される。既に複数のベンダーがVMware MVPの採用を検討している」と述べている。

 VMware MVPハイパーバイザのファイルサイズは20‐30KB程度で、現在はWindows CE、Linux、Symbianの3プラットフォームをサポートしている。GoogleのAndroid、Windows Mobile、iPhoneなどのモバイルOSは、今のところ未対応だ。

 VMwareは今後、サポートするプラットフォームの数を増やしていく予定だが、クリシュナムーティ氏は「顧客が要求するOSすべてに対応するのが目標だ」と述べるにとどまり、詳細なプランは明らかにしなかった。

 同社のプレス・リリースでは、「2012年までには、新規に出荷されるスマートフォン端末の50%が仮想化に対応する」という、米国の調査会社Gartnerによる予測が引用されている。

 仕事用と個人用に携帯電話を複数持つ人が増えている現在、仮想化技術によってユーザーが受ける恩恵は大きい。VMwareによると、1台の電話端末を2つのユーザー設定で使い分けることができるだけでなく、新しい端末に設定情報を移行するのも簡単になるという。

 「スマートフォンが豊富な機能を備え、ユーザーごとのパーソナライズなどによってよりコンピュータに近づくにつれ、こうしたマルチアカウント機能の重要性が増すだろう」(クリシュナムーティ氏)

 また、仮想化が広く普及すれば、ユーザーは端末のハードウェアやOSを問わずアプリケーションをダウンロードできるようになるという。

 「ハイパーバイザを搭載した電話なら、あらゆるアプリケーションが利用できる──そんな未来を目指している」(クリシュナムーティ氏)

 なお、VMwareのほか、米国VirtualLogixやOpen Kernel Labsといった複数のベンチャー企業も携帯電話の仮想化に取り組んでいる。

(Jon Brodkin/Network World米国版)

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