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【解説】

クライアント仮想化をめぐる5つの「誤解」

セキュリティ・リスクを高める、コスト削減が短期で見込める、……
(2009年09月22日)

革新的なテクノロジーには誤解がつきものだ。だが、登場からかなりの時間が経過しているにもかかわらず、なかなか正しく理解してもらえないというのも問題である。クライアント仮想化も、そうしたテクノロジーの1つに数えられ、いまだに多くの誤解が付きまとっている。

誤った認識や不確かな知識が誤解を生み出す

 企業に受け入れられているテクノロジーでありながら、そのメリットが十分に伝わっているとは言い難い。そんな技術の1つに数えられるのが、クライアントの仮想化である。

 実際、技術的な特徴が理解できず、企業における役割も把握できていない人は少なくない。いまだに大半の企業が、クライアント仮想化はセキュリティ・リスクを高めると信じ込み、あるいは1種類の技術だけで管理性が改善され、社外で働く社員を助け、ありとあらゆるアプリケーションを仮想化すると勘違いしている。

 クライアント仮想化には、ローカル・デスクトップ仮想化、ホステッド・デスクトップ仮想化、ローカル・アプリケーション仮想化、ホステッド・アプリケーション仮想化という4つの種類がある。IT部門のプロたちは、これらを併用することにより、優れた管理機能や強固なデータおよびサービス・セキュリティ、規制に準拠したたくさんのツール、さらには災害やデータ損失、人事異動などの際のビジネス継続性を手にしているのだ。

 しかし、商品を矢継ぎ早に売っていきたい側のベンダーは、しばしばこうしたメリットを無視するばかりか、クライアント仮想化のコスト削減効果についても誤ったメッセージを顧客に伝えることがある。その結果、クライアント仮想化を導入してはみたものの十分な効果が得られず、「結局は期待はずれの技術」との認識が、一部ユーザーの間に広がったりもした。

 以下、IT専門家の助言から導き出した、クライアント仮想化に関するよくある誤解を5つ挙げ、それぞれについて正しい説明を加えることにしよう。

誤解1:1種類の技術だけですべてのニーズを満たせる

 今でも多数のユーザーが、デスクトップ環境の管理コスト削減やビジネス継続性の保証といった課題は、1種類のクライアント仮想化技術のみによって解決できると信じている。だが、それは間違いだ。これらの目的を達成するためには、少なくとも2つのタイプのクライアント仮想化技術が必要になる。

 高次元においては、ローカル・アプリケーション仮想化技術が、従来の方法でインストールされたアプリケーションのサポート・コストを下げてくれる。ホステッド・アプリケーション仮想化は、不具合の多いレガシー・アプリケーションをほかのアプリケーションから切り離す役目を負う。IT部門が自分の管理下にないマシン上のデスクトップ環境を管理するのに使うのは、ローカル・デスクトップ仮想化技術だ。ホステッド・デスクトップ仮想化は、ネットワーク接続環境下のユーザーを会社のデスクトップにアクセスできるようにする。

 ただし、これらの技術は、ひとまとめにしたときに真価を発揮する。例えば、ホステッド・デスクトップ仮想化とホステッド・アプリケーション仮想化を組み合わせると、2つのうち片方だけを導入した場合よりも低いコストで前述のメリットを得られるのだ。

誤解2:デスクトップ仮想化はセキュリティ・リスクとなる

 仮想化されたデスクトップは物理的なデスクトップよりも危険――こんな話を聞かされたことはないだろうか。

 実のところ、これは誤りで、デスクトップ仮想化は、むしろクライアント環境を安全にする。仮想化デスクトップのホスティングによって、末端デバイスからすべてのアプリケーションとデータを取り除けることを思い出してほしい。機密性の高いデータが保存されているデバイスの紛失や盗難を心配する必要がなくなるため、データ・セキュリティ・レベルが格段にアップするのだ。

 さらに、ローカル・デスクトップ仮想化を利用すると、ITスタッフがデスクトップ環境を以前よりも自由にロックダウンできるようになり、広範囲に及ぶ制御が実現する。そのためには、ITスタッフにホストOSへのアクセス権を与え、仮想化された企業IT環境下では本来許可されないソフトウェアをそこにインストールさせればよい。

 何よりいちばん魅力的なのは、デスクトップ仮想化を導入することで、社員自身が所有しているデバイスを企業システム内で安全に使えるようになり、“大衆化”が進む点である。

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