サムスンやLG、ヴイエムウェアの仮想化技術を搭載したAndroidフォン発売へ
モバイル版ハイパーバイザを採用、プライベートと仕事用の環境を1台で切り替え
米国VMwareは8月30日、韓国Samsungや韓国LGなどのスマートフォン/タブレット・メーカーが、モバイル向けの仮想化プラットフォーム「Mobile Virtualization Platform(MVP)」とそれに基づく管理ソフトウェア「VMware Horizon Mobile」を採用したデバイスを製造すると発表した。新技術により、企業におけるモバイル・デバイスの管理に大きな変化が期待できる。
VMwareによると、これら各社のデバイスは数カ月後にリリースされる見通し。同社は、デバイスの提供に関して通信キャリアの協力を取り付けていると述べているが、具体的なキャリアの名前は明らかにしていない。
VMwareは2月にスペインのバルセロナで開催されたGSMA Mobile World Congressで、LG製スマートフォンで動作するMVPをプレビューしている。
MVPは米国GoogleのモバイルOS「Android」に対応している。MVPを搭載したAndroidスマートフォンを購入すれば、例えば、パーソナルなモバイル環境(プロファイル)と仕事用のモバイル環境を切り分けて使うことができるわけだ。この機能の狙いは、会社のサーバに接続する電子メールのようなアプリと、パーソナル・ユースでダウンロードされるアプリとを隔離することにある。ダウンロードされるアプリの中には、重要なビジネス・データを破壊するものが含まれるおそれもあるからだ。
VMwareのプロダクト管理/市場開発担当ディレクター、スリニバス・クリシュナムルティ(Srinivas Krishnamurti)氏は、「MVP搭載スマートフォンの購入後、パーソナル・プロファイルと仕事用プロファイルを使用するためのVMwareアプリケーションをダウンロードすることで、スマートフォン上で2つの環境が持てるようになる」と説明した。
VMwareは、エンドユーザーがLG製スマートフォンでパーソナル・プロファイルと仕事用プロファイルを使い分ける様子を紹介するデモ動画を公開している。
VMware MVPのアーキテクチャに対しては、「1台のスマートフォン上でAndroidのフル・バージョンを2つ動作させることになるため、パフォーマンス上の問題が発生するおそれがある」という批判が出ていた。だがクリシュナムルティ氏は、約100人のエンドユーザーの協力を得てプライベート・ベータテストを行ってきたが、パフォーマンスに関する苦情は寄せられていないと語った。
VMware MVP搭載デバイスにある仕事用の環境を企業のIT担当者が管理するためのツールが、VMware Horizon Mobileである。例えば、ユーザーがデバイスを紛失したり退職したりした場合、IT担当者は、デバイス上にあるアプリケーションやデータのうち、自社に関係のあるものだけをリモートで消去できる。また、管理者側からアプリケーションをデバイスにプッシュしたり、仕事用プロファイルにポリシーを適用することも可能だ。
多くの企業では、すでのモバイル・デバイスの管理ツールを保有している。そのためVMwareは、他のベンダーの管理製品にVMware Horizon Mobileを統合するためのSDKをリリースする計画だ。SDKは、VMware Horizon Mobileの提供開始後すぐにリリースされる予定だ。
モバイル仮想化はこの1年、ホットなトピックとなっている。IT部門が、「自分で選んだデバイスを仕事でも使いたい」という従業員の要望が高まっていると感じているからだ。VMwareとは異なるアプローチでこうした要望に対応しているベンダーもある。米国Open Kernel Labsは、個人用アプリケーションを仮想マシンで実行できるようにするツールを開発者向けに提供している。米国Enterproidも、従来の仮想化技術を使わずに、Androidスマートフォン上で企業アプリケーションを隔離するソフトウェアを開発済みだ。
(Nancy Gohring/IDG News Serviceシアトル支局)



























