データセンターの運用管理を可視化して、長期的なIT投資戦略を
シュナイダーエレクトリックデータセンターソリューションフォーラム2011仮想化の普及や節電需要の高まり等のさまざまな要因から、データセンターやサーバルームなどITファシリティの環境を見直す企業が増え始めている。その際に注意しなければいけないのは、ファシリティだけを切り離して考えるのではなく、自社のITシステムの将来予測までを見越して、ファシリティとシステムのあらゆるレイヤを包括した視点で捉えることだ。シュナイダーエレクトリックが2011年10月11日、東京港区のザ・プリンスパークタワー東京で開催したイベント「Schneider Electric Data Center Solutions Forum 2011」では、同社ビジネスデベロップメントのマネージャ 鈴木良信氏が、長期的なITファシリティ戦略についての課題を想定し、一つ一つ解決策を示した。
既存のデータセンターをいかに効率化するか
ビジネスデベロップメント マネージャ
鈴木 良信氏
課題1:既存のデータセンターで、コスト削減とパフォーマンス向上は両立できる?
仮想化の普及などによりサーバをはじめとするIT設備の高密度化が進んでいる。それに伴って既存のデータセンターやサーバルームが電源供給能力と冷却能力の不足に陥ることを憂慮する企業も多い。コスト削減が迫られる昨今、簡単に設備を刷新することは困難ななか、どういった解決策が有効なのだろうか。
解決策1:モジュラー型で段階投資、安定運用を実現
この課題は、既存の環境を生かしながらデータセンターの能力を迅速に拡張し、仮想化にも対応するモジュラー型データセンター・インフラストラクチャーにより解決できる。
ハードウェアが高密度化しているデータセンターでは、必要に応じて冷却能力を向上できるモジュラー型の局所冷却システムの効果は高く、全体の消費電力量や温度湿度を正確に測定することで、電源や冷却設備の無駄を無くして消費電力の低減も狙える。さらに、昨今の電力事情を考慮すると、省エネに対応しランニングコストの低減も目指す必要があるが、このような効率化と省エネを両立した設備運用が可能なのも、モジュラー型データセンターのメリットの1つである。
データセンターの効率向上、コスト削減で効果を出す”可視化”
上記に加え、データセンターの運用管理を可視化する『StruxureWare for Data Centers』で無駄のないデータセンター構築を強固なものとする。同ソリューションは、物理的インフラの一元管理、そして分析を実現するソフトウェア群。ビル管理やネットワークなど様々な管理システムと連携し、ハードウェアだけではなく冷却や電力状況の監視も可能。また、リアルタイムな障害検知や通知ができることはもちろん、一定期間計測した冷却効率をレポート化する機能なども搭載している。
一般的に、「ハードウェアによってさまざまな改善を図る環境は実現しやすい」と鈴木氏は語る、運用管理にまで手をつけるとなると解決に結びつかないケースが多い。しかし、StruxureWareのこうした豊富な監視機能、レポート機能により、データセンターに関わる環境を徹底的に"可視化"することで一元的な運用管理の実現を狙えるという。
課題2:サーバ移動
仮想化システムでは、熱源となる高負荷サーバの移動が頻繁に行われる。そうした状況にこれらの製品は対応できるのか。
解決策2:過負荷の状況判断で解決できる
仮想化システムと連動して、過負荷の状況を判断。自動的に冷却状況を最適化することが可能。これにより、システムの安定性向上も狙う事ができる。
課題3:部門間でのギャップ
データセンターの運用管理では、IT部門だけでなく設備部門も携わることは多い。その場合、両部門間でのギャップが生じることも多いが、有効な解決策はあるのだろうか。
解決策3:既存システムの使い勝手を維持した管理で連携力を高める
この課題に対しては、StruxureWareのエコストラクチャー・アーキテクチャが最適。例えば電力管理のシステムに使われているさまざまなプロトコルなど、設備側の情報をそのまま扱えるため、設備担当者も従来のシステムをそのまま使用して管理できる。そのため、IT部門と設備部門との連携が従来よりもスムーズになるだろう、と鈴木氏は語った。
経営陣に対し、リアルな判断材料の提供を
課題4:物理的なセキュリティの確保
ISMSの基準をクリアするためには、データセンターの物理セキュリティにも配慮する必要がある。セキュリティ技術についてはどうだろう。
解決策4:静脈管理、ビデオデータとの連携でセキュリティ確保を狙う
この課題は静脈認証による入退室管理で解決できる。これにより、データフォレンジックを考慮した高解像度ビデオデータの蓄積と連動したエンド・ツー・エンドのセキュリティ実現を目指す。
課題5:新システムと既存システムの統合
データセンターの運用管理システムを構築する際に既存のシステムと統合は難しくないのか。
解決策5:オープンインタフェース利用により統合は容易
StruxureWareは、オープンなインタフェースであるWebサービスを基本としたアーキテクチャを採用しており、既存システムとの統合は容易だ。
課題6:経営層に運用状況を把握させるには
最近では、経営陣には全社的なエネルギー使用状況を把握して経営判断に生かすことが求められるようになっている。データセンターの運用状況を企業のトップに把握させることはできるのか。
解決策6:建物全体での情報収集、充実したリポート機能で解決できる
StruxureWareでは、直感的で理解しやすいリポート機能を充実させている。データセンターだけでなく、建物全体を網羅した情報を経営的な観点に即したかたちで提供することができる。例えば、あるデータセンターでは、リアルタイムにPUEを計測し、CO2換算やコスト計算といった経営判断に役立つ幹となる情報提供を実現している。このように、電力だけでなく他のエネルギー要素も加えて、より幅広く、かつ長期的な視点でIT投資を見極めることが大切ではないだろうか。
データセンターの短期、および長期的な計画策定に活用できる。
最後に:
システムの刷新、追加によるデータセンターの拡張は、必ず「先」を見据えた構築が求められる。しかし、そこには数多くの投資、運用、人に関する課題が存在する。しかし、シュナイダーエレクトリックでは、如何にデータセンターが効率的かつ安定的に運用できるのかに注目し、数々の課題を解決できる製品およびソリューションを用意している。今回、鈴木氏は製品やソリューションを通して、課題解決に繋がる“視点”も紹介していた。鈴木氏の話から、自社の課題を解決に導く糸口をこれらの“視点”からみつけることが出来るだろう。
















