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【事例】

マネージド・サービス・プロバイダーに見る仮想化技術の効用

サービス品質/アジリティの向上を果たしたコンテジックス
(2008年06月16日)

マネージド・ホスティング・サービスを提供する米国Contegixは、顧客が抱える課題の解決につながることから、仮想化技術を高く買っている1社だ。同社では、ハードウェア使用率を高めるだけでなく、より迅速なサーバ・プロビジョニングやアプリケーション・デリバリを可能にする手法として、サーバ仮想化を重宝している。

SaaSベンダーと組んでマネージド・サービスを提供

 Contegixは現在、顧客のために機器設備を用意し、インフラとOSの運用管理を行うサービスを月額料金制で提供している。1社の顧客がハードウェアを専用で使用することになるため、仮想化技術を使い1個のプロセッサで複数のゲストOSを稼働させれば、サーバの処理能力が向上し、顧客にとって大きなメリットとなる。

 しかし、おそらくContegixにとって重要性が増しつつある仮想化のメリットは、サーバ・プロビジョニングや、アプリケーションとその更新プログラムの導入展開を大幅に迅速化できることだ。このメリットは、SaaS(Software as a Service)を販売する同社パートナーやベンダーにとってとりわけ重要だと、同社の創業者兼CEO、マシュー・ポーター(Matthew Porter)氏は力説する。

 例えば、ContegixのパートナーであるオーストラリアのAtlassianは、同社の開発ツール・スイート「Jira Studio」をホスティング・モデルで提供しており、両社は24時間以内に顧客が導入できるよう協力体制を敷いている。

 Jiro Studioの導入を希望する顧客は、同ツール・スイートをAtlassianから購入し、パートナーのContegixに導入と運用管理を委託する。一方、Contegixのほうは、テンプレートとなるJira Studioの仮想化イメージを使い、新規顧客向けに同ツール・スイートの導入展開を行う。

 「物理ホストはすでにあるため、10〜15分足らずでこのツール・スイートの必要なコンポーネントをすべて導入できる」(Porter氏)

 Contegixでは、Jira Studioユーザー専用のハードウェアも用意している。同一マシン上で多くの顧客が同ツールを利用できるが、Porter氏によると、各顧客は独自の仮想マシン・イメージを持っているという。

 「ニーズの増大に合わせて、より大きなマシンに顧客の環境を簡単に移せる。このソリューションは、仮想マシンを利用しない場合と比べて格段に柔軟性が高い」と、Atlassianのホスティング・サービス担当マネジャー、マイケル・ナイテン(Michael Knighten)氏は語る。標準化された仮想化イメージは、柔軟なフェールオーバも可能にする。複製や切り替えが簡単にできるからだ。

仮想化の普及でサービスのあり方が一変

 Contegixのようなサービス・プロバイダーは、以前はすぐれたプラクティスやプロセスを盛んに宣伝していた。しかし今では、サービス品質とアジリティ(俊敏性)で他社との差別化を図るようになってきていると、米国のIT調査会社Gartnerのアナリスト、トム・ビットマン(Tom Bittman)氏は指摘する。

 こうした流れに一役買っているのが、ほかならぬ仮想化だ。仮想化により、ユーザーは従来と比べ平均30倍の速さでサーバを導入できるようになった。「仮想化は、こうしたビジネスのあり方を一変させた」(Bittman氏)

 Porter氏の推計では、Contegixのインフラの中で仮想化されている部分の割合は、1年前は2%にすぎなかった。今ではこの数字は8%に迫っており、今後12〜18カ月で15〜20%に増えると同氏はみている。仮想化環境を利用するContegixの顧客は、社員5人の新興ソフトウェア開発会社からフォーチュン100企業まで多岐にわたるという。

 Contegixでは、高可用性などを重視する大規模ユーザーにはVMwareのサーバ仮想化ソフトの利用を勧めている。これは、仮想マシンを稼働させたまま物理サーバ間で移動できるVMotionなどを利用できることが理由だ。また、経済性を重視するSaaSの顧客などに対しては、オープンソースのXen技術を勧めることもある。

 またContegixは、仮想化環境でサードパーティ・ツールを活用している。SaaS環境における動的スケジューリングのための3teraの「AppLogic」や、仮想/物理システム全体にわたる監視、およびパフォーマンス管理を担当するHypericの「HQ Enterprise」がそれだ。このうちHQ Enterpriseは、使い勝手が悪いSNMPベース・システムの代わりに導入された管理ソフトである。

 Contegixの売りは、まだある。24時間・365日の技術者対応、SLA(サービス・レベル契約)に基づく30分以内でのハードウェア交換など、「前例のないレベル」(Porter氏)の徹底的な監視を保証していることだ。

 とはいえ、仮想化は必ずしも万能ではない。厳しいI/O要件を満たす必要がある環境は仮想化に向かないと、Porter氏は話している。

(Computerworld.jp)

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