顧客を満足させる巨大Webサイトは、どう構築、運用、管理すべきか――「Megasite Infrastructure Strategy 2010」開催
※各講演の詳細レポート記事を公開しました。本文末尾のリンクをご参照ください。(2010/03/19 Computerworld.jp)
オンライン・ショッピング、インターネット・ポータル、ソーシャル・サービスなど、「メガサイト」と呼ばれるWebサイトで提供される各種のサービスは、今や人々の生活に欠かせない重要な社会インフラとなった。
そして、それらのサービスを提供している事業者にとってはビジネス・インフラそのものでもあり、高品質なサービスを24時間365日、ユーザーに提供し続けることが求められている。本コンファレンスでは、そうした「メガサイト」を支えるテクノロジーやアーキテクチャ構築の最新手法などが紹介された。
開幕記念講演に登壇した楽天の千田孝由起氏は、「楽天のビジネスを支えるITインフラの現在、そして未来」と題して、日本を代表するメガサイトとも言える「楽天市場」のインフラ・アーキテクチャの概要や特色、可用性や拡張性を高めるためのくふう、セキュリティ対策やコスト対策、さらには事業継続性確保やクラウド・コンピューティングへの対応方針/施策などを紹介。
1997年の創業当初、わずか13店舗でスタートした楽天市場は、2009年末で3万店舗以上、会員4,700万人以上、グループ流通総額1兆1,000億円超、さらには、台湾、タイ、中国までビジネスを展開するメガサイトに成長。現在は、100名以上の専任エンジニアによって、設計・構築から運用までを自社で行っている。
楽天はそのビジネスの成長過程で、さまざまなシステム構成変更、改修、強化を実施。例えば、アクセス数増加による負荷を分散するためにキャッシュ・サーバを導入。さらに、「CARP(cache array routing protocol)」でキャッシュ効率を最適化したり、CDNで負荷と設備投資を抑制したりしたという。その結果「年間で数千万円のコスト減と、レスポンス向上を実現しました。また、海外でのサービス品質も向上しています」(千田氏)。
仮想化やクラウドといった最新技術の採用にも楽天は積極的だ。サーバ仮想化に関しては「主にコスト抑制を期待して、3年前から検証を行っています」(千田氏)。特に、ハードウェア/データセンター/エネルギー・コストの削減のほか、構築スケジュールの短縮や運用管理工数の削減を目指しているという。
現在、仮想化は楽天の主要サービスへ展開を始めている段階にあり、今後はプライベート・クラウドに向かうとのことだ。最後に千田氏は「ロケーションに依存せず、スケールアウトするシステムを構築したい」として、講演を結んだ。
続いて登壇したのは日本コンピュウェアの谷直樹氏。谷氏は「お客様はあなたのWebサイトに満足していますか?〜新時代のサイト・パフォーマンスの可視化と改善〜」と題した講演で、顧客の視点からWebサイトのパフォーマンス管理の重要性、可視化の重要性を説いた。
谷氏は、「Webサイトでは障害による停止だけでなく、ほんのちょっとしたレスポンスの遅れやパフォーマンス低下でビジネス・チャンスを喪失します」と警鐘を鳴らす。 現在、Webサイトを運営では「エンドユーザー体感=サービス品質」を重要視すべきであり、そのためには社内にあるシステムからインターネットまで、トータルな可視化が必要であることを力説。そして、コンピュウェアでは、「エンドユーザー体感」を向上させるためのソリューションとして、Webパフォーマンス管理サービスの「Gomez adVantage(ゴメス・アドバンテージ)」を提供していることを紹介した。
最後の講演は、はてなの田中慎司氏。田中氏は、自社のWebサービスのインフラに求めるものとして、「低コスト・高効率」「100%の信頼性は目指さない」「スケーラビリティ・応答性」をあげ、はてなの各サービス・サイトでこれらを実現している技術や構成、設定などを紹介。特に、田中氏は「1日2日でサーバを追加できるスピードが大事です」と、サービスに対する機動的なリソース提供の重要を強調した。
●Megasite Infrastructure Storategy 2010 講演レポート
○開幕記念講演: 会員数6,200万人の「楽天」を支えるITインフラ――運用のポイントは過負荷対策と仮想化(楽天 千田孝由起氏)
○複雑化が進むECサイトで重要視すべきは“顧客視点”でのサイト・パフォーマンス可視化(日本コンピュウェア 谷 直樹氏)
○600台の手作りサーバ群を仮想化してコスト削減、効率向上、負荷分散、冗長化を実現(はてな 田中慎司氏)
●各講演資料がダウンロード可能です → Megasite Infrastructure Storategy 2010 イベント・サイト
(Computerworld.jp)



























