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マイクロソフト幹部、SaaS重視の姿勢をアピール

「今後さまざまなアプリケーションをSaaSモデルで提供」
(2007年03月16日)

 米国マイクロソフトは、SaaS(Software as a Service)の分野ではほとんど注目されていないが、同社の幹部は3月15日、売上げを伸ばすための手段としてサブスクリプション・ベースのソフトウェアを提供するなど、「SaaS分野で主導的な役割を果たしている」ことを強くアピールした。

 これは、カリフォルニア州モンテレーで開催中のコンファレンス「OpSource SaaS Summit 2007」(3月14〜16日)で、マイクロソフトのエマージング・ビジネス・チームでゼネラル・マネジャーを務めるクリフ・リーブス氏が明らかにしたもの。


「SaaSを強く支持している」と強調した米国マイクロソフト エマージング・ビジネス・チーム ゼネラル・マネジャー クリフ・リーブス氏

 同氏は、基調講演とその後のインタビューで、「SaaSを強く支持している」と強調、Office Liveプラットフォームなどのアプリケーション、ホステッドExchangeサービス、および今後投入されるDynamics CRMオンライン・パッケージなどさまざまな製品がSaaSベースで提供されると述べた。

 リーブス氏は、「SaaSビジネスの比重は他社よりも大きい」としたうえで、SaaSが同社の売上げの拡大に大きく貢献するとの見通しを示した。

 同氏は、「必要なソフトウェアを必要なときに有料で配信するというSaaSの考え方は、長期的に見て当社に新たな収入源をもたらす有力な手段になる」とし、使った時間や量に応じて料金を支払う携帯電話の加入者がこのサービス・モデルの実例になると語った。

 リーブス氏は、もう1つのビジネス・チャンスとして、SaaSアプリケーション向けのオフライン・クライアントを挙げた。

 SaaSビジネスは、本格的なサービスを提供するために他社と提携する方向に進展しつつある。同氏は、その実例として、オンライン調達サービスを提供するラーデン・コマースや、分析サービスなどを提供するアメリカン・エクスプレス・ビジネス・トラベルなどとの提携を挙げている。

 15日には、シスコシステムズも、ウェブエックスを32億ドルで買収する計画を発表している。ウェブエックスは、SaaSモデルによってオンライン・コラボレーション・サービスを提供するベンダーである。コンファレンスには、同社の幹部もパネラーとして参加する予定になっていたが、当日は姿を見せなかった。

 オプソースのCEO、トレブ・ライアン氏は、SaaSという用語について触れ、顧客に提供されるソフトウェアだけを指すものではないとする主張を繰り広げた。同社は、SaaSを使って製品を提供したいと考えるソフトウェア・ベンダーにホスティングなどのサービスを提供している。

 ライアン氏は、SaaSビジネスを展開する場合には、ソフトウェア・ベンダーではなく、Web企業としての意識を持つ必要があると指摘する。同氏によると、Web企業は、製品開発を反復的に繰り返すことによって、マーケティングとユーザーの支持を獲得するというビジネス手法を用いているという。

 「優れたSaaS企業は、きわめて簡単にソフトウェアを試用できるようにしておき、実際に試用したユーザーを有料顧客として獲得することに注力している」(同氏)

 ライアン氏によると、SaaSは企業のコンプライアンスの取り組みにも貢献するという。提供されるソフトウェアは、SOX法やHIPAA法(Health Insurance Portability and Accountability Act:医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)などの法規制に適合するように構築されているからだ。

「SaaS 2.0」で何が実現されるか

 同氏はまた、Webを介して他のサービスと連携し、請求や文書管理などの重要な機能を提供することができる次世代SaaSシステム「SaaS 2.0」についても言及した。SaaS 2.0の世界では、ベンダー各社がそれぞれの専門分野に注力することができるとされている。

 SaaSを通じてビジネス・インテリジェンス(BI)サービスを提供しているルシッドイーラの共同設立者で、CEOを務めているケン・ルーディン氏は、オンデマンドSaaSがホスティング・アプリケーションを超える存在になっているとの見方を示した。

 ホスティング・アプリケーションは、基本的にソフトウェアを顧客の施設からソフトウェア・プロバイダーの施設に移すだけだが、オンデマンドSaaSは、セットアップや運用を簡素化し、必要に応じて購入できるといった特徴を備えているからだ。

 「SaaS企業はソフトウェア会社なのかWeb会社なのか」というテーマで行われた討論会に参加したルーディン氏は、サービスとして提供するのに最適なソフトウェアの種類は何かという質問に対して、「サービスとして提供できないソフトウェアは何なのか聞きたい」と応じた。

 これに対し、BMCソフトウェアのビジネス開発マネジャー、マーク・ビンフォード氏は、「どんなソリューションでもSaaSに適しているという考え方には同意できない」と反論。「業務用ソフトウェアとパッケージ製品は、われわれが引退したのちも生き残るだろう」と述べた。

 BMCは、ビジネス・サービス管理サービスを提供しており、SaaSは中小企業を支援するためのツールであるというのが同社の考え方である。

 なお、ルシッドイーラのルーディン氏は、SaaS分野のチャネル・ベンダーが直面する課題として、ライセンス販売から総合的な契約価値の提供に重点を移す必要性を指摘したほか、付加価値コンサルティング・サービスなどの提案も行った。

(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)

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